インフラ・ネットワークエンジニアの働き方:苦労したこと、つらいと思ったこと

インフラエンジニア、ネットワークエンジニアとして仕事をしてきて、当方が苦労したこと、つらいと感じたことを紹介したいと思います。また、色々な人たちから話を聞いて、一般的にネットワークエンジニアにはどのようなつらいことがあるのか、苦労したことがあったのかを紹介していきたいと思います。

現在ネットワークエンジニアの仕事が辛いと感じている人が、楽しく仕事ができるようになるためのヒントになれば幸いです。

 1. スキルアップしたいのにルーティンワークの資料作成が多い

これは当方が20代の頃によく感じたことですし、例えば、特定派遣の正社員の方がベンダーに出向させられて誰かの下で仕事をする際に、よく感じることではないでしょうか。

20代の頃はとにかくネットワーク技術力を身につけたい、スキルアップをしたいと焦っている時期だと思います。しかしこの時期は経験不足ということもあって、簡単なルーティンワークの資料作成を任せられることがよくあります。

指定された通りの決まりきった形の資料作成、エッジ部分のL2スイッチの設定シートの作成、L2のみのコンフィグ作成などの作業です。運用・保守を行っているインフラエンジニアの場合およそネットワーク技術とは関係のないエクセルでの資料作成もあるかもしれません。

これではスキルアップできない、もっと色々な経験をしたいと思う人は多いでしょう。

しかし、こういった下積みのような時代は多くの人が経験していますし、こういったルーチンワークの資料作成をしている時期にこそ、やがて、一人だちして責任ある立場として対応しなければいけない時に良い仕事ができるよう、この時期に先輩からスキルトランスファーを受けたりスキルアップのための学習に励んで、しっかりと技術力の土台を形成しておきましょう。

2. エンジニア業務以外の雑用や議事録作成などが少しつらい

例えば社外の打ち合わせの場合は、指定された資料の準備やプリントアウト、移動、帰社後の議事録作成で一日が終わってしまうことがあります。

PJスケジュール表、議事録、課題管理表、NW構成図、技術説明の資料など人数分を、PLから印刷しておいてと指示があるかもしれません。参加人数や資料が多ければ印刷だけでもかなり時間が必要ですし、プリントアウト後はホチキスでとめたり分類したりなどでかなりの時間を要すると思います。その他、ITエンジニアといってもこういった雑用業務は多くあります

また、打ち合わせの終了後に帰社して議事録作成を依頼されることもあるでしょう。新人の方にはこの議事録作成はかなり苦痛かもしれません。打ち合わせ中に理解できなかったやりとりがあるでしょうし、漏れがあればお叱りを受けるのではないかという不安もあります。

上述の内容は、現在はPM・PLとしてお仕事をしている人も経験してきていることですから、これらのちょっとした打合わせ前後の雑用や、議事録作成などは必要な経験であると割り切ることが大切です。議事録作成は最初はつらいですが、段々と慣れてきますし、作成スピードもアップしてくるので少しずつ気持ちも楽になってきます。

3. 深夜・早朝対応や不規則な生活になるのがつらい

提案、設計、構築、保守、運用、監視の役割のなかでも、保守と運用・監視の仕事をする人はシフト制によって早朝・深夜も対応しなければいけない場合が多くて、とても不規則な生活となってしまうケースが多くあります。

なるべく規則的な生活をしたいと言う人は、日中帯だけの対応で良い役割の運用・監視の仕事を選ぶか、保守や監視の仕事よりかは比較的規則正しい生活ができる提案、設計、構築の仕事を選ぶことをお勧めします

ただし、設計・構築のお仕事でも深夜作業での切替対応など、深夜・早朝作業などが完全にはなくなるわけではないので、もし完全に規則正しい生活をしたいのなら、コンサルも検討してみてはいかがでしょうか。もちろん、コンサルを行える立場としてお仕事ができるようになるためには、一通りの提案、設計、構築などを経験していないと厳しいと思います。

4. 高度なネットワークシステムの設計・構築についていけない

当方は20代前半の頃は、自分はネットワークエンジニアに向いていないのではないかと思ったことは何度もありましたし、無限の広さを感じたネットワーク技術が難しくて先輩方のようにネットワークエンジニアとしてやっていけるのか、とても不安な時期がありました。

ですが、今では公共性のあるNWシステムや大規模なセキュリティ基盤の構築なども含めて、どのような案件内容でも、どのような役割でも、一通りの仕事ができるようになっています。※ 謙虚さの欠片もない言い方になってしまってすみません。。

それではどのようにしてそこまで飛躍できたかというと、それは日々の努力の積み重ねです。とにかく少しずつ着実に学習していくのです。それに尽きます。努力は裏切りませんから少しずつ成長していきます。ですから、ネットワークエンジニアになりたての頃はとてもつらく、ついていけないと思うかもしれませんが、少しずつ成長していきますから大丈夫です。

ただし、少し厳しいことを言わせて頂きますと、英語のドキュメントが読めないという人は、ネットワークエンジニアやインフラエンジニアにならない方が良いのかもしれません。ネットワークシステムを構成する主要なメーカーである例えばCisco、F5、Juniper、Palo Altoなどの最新技術のドキュメントは全て英語ですし、その最新情報をキャッチアップしていけないようでは、高度なシステムを構築するNWエンジニアとして仕事をしていくのは難しいからです。

ここ最近、検索キーワードで「ネットワークエンジニア やめとけ」というのがピックアップされていますが、英語を話せないくらいならいいのですが、英語が全く読めないということであれば、確かに「やめとけ」です。もしそうでなければ、少しずつ着実に学習していけば実を結びますし、ぜひネットワークエンジニアという職業を楽しんで頂きたいです。

5. 設計・構築したNWシステムの障害トラブルが収束しない

個人的にはこれが一番つらい、というか絶望的になります。最終的なエスカレーションとしてメーカーの協力を得られたなら解決するのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、例えば異なるメーカー同士の機器接続やシステム連携をしていて、メーカーに問い合わせた所「 こちら側には問題ありません! 」という絶望的な回答が両社から得られた場合には、このネットワークシステムを提案・設計したこちら側が大きく責任を負うことなります。

設計方針の変更が許されてそれだけで解決すればまだ良いですが、最悪の場合は、各システム機器の買い直しが発生する場合もあります。その費用負担はこちら側になるので、こうなると社外的にも社内的にもかなり追い込まれることになります。その他、スケジュール遅延の責任も取る必要があり、もう本当に心臓がギューっとなります。

当方はこの絶望的な経験があります。異なるメーカー間のシステム連携などは実績の有無や、事前検証など徹底的な裏取りをすることが極めて重要です。

簡単ではありますが以上となります。ネットワークエンジニアの方の参考になれば幸いです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加