ネットワークエンジニアのキャリアアップ(CCIE取得をどうするか)

CiscoゴールドパートナーやCisco製品の取り扱いが多い企業で働くネットワークエンジニアがキャリアアップを考える上で「 CCIEの取得 」は重要なポイントです。当然、CCIEを取得している方がアドバンテージがありますが、如何せん高額な取得費用が必要となってしまいます。

ネットワークエンジニアにとって理想的なキャリアパスは、個人の価値観によるものが大きいことから人それぞれではありますが、CCIE取得を考えている人、CCIE取得を考えていない人の両者に役立つキャリアアップの方法を紹介したいと思います。

CCIE取得を考えたキャリアアップ・キャリアパス

先ず「CCIEの高額な取得費用」という点を除けば、CCIEに対して否定的な考えを持つ必要はないと思います。転職時などで面接官が「この人のスキルは大丈夫なのかな?」という疑問を持たなくなりますし、目標達成能力という観点からも評価されますし、そこから伸びしろにも期待されるでしょうし、本当に効果的なカードであると思います。

さて、そのCCIE取得を自身のキャリアアップの中で組み込んでいる人は、大きく以下の2点について注意をしてネットワークエンジニアとして働いていくと良いかもしれません。

◆ 検証環境が整っていて受験費用の補助が期待できるCiscoゴールドパートナーで働く!

Ciscoゴールドパートナーの企業で働く事は、CCIE取得を考えているネットワークエンジニアにとって以下のようなメリットがあります。

・ Cisco製品の導入作業が多く、Cisco技術のスキルを高めやすい

・ Cisco機器の検証機材が多くあり、学習環境が整っている

・ Cisco系の資格取得に対する補助や負担が充実している会社が多く支援が得られやすい

膨大な時間投資や高額の受験費用などを自分ひとりで抱え込むのではなく、最大限サポートが得られるような企業で仕事をすることは大切です。効率的に戦略的に受験までの道のりを描いていくのです。なお、Ciscoゴールドパートナーといってもピンからキリまであり、受験費用も全く負担してもらえない企業もあるので、人脈を生かして幅広く情報収集を行いましょう。

◆ CCIE R&Sの場合はスタート地点と認識して、上位層を制御する製品に精通していく!

CCIEを取得してもそこはスタート地点として認識することが大切です。特に取得した資格がCCIE R&Sの場合、精通している対象製品はCiscoルータとCatalystスイッチだけとなります。※ もちろん、これらの製品が基幹となるので、これらの製品に精通していることは超重要。

実際の企業ネットワークを設計・構築する上で、ネットワークエンジニアはCiscoルータやCatalystスイッチ以外に、無線LAN製品、Firewall、IPS、各種認証サーバー、LB、WAFなどに精通していることが重要であり、そのスキルが必要とされます。

ですから、上位層を制御するアプライアンス製品に精通することがネットワークエンジニアのキャリアアップにとって重要となります。CCIE R&Sは取得できれば確実な土台となるスキルの証明ができているわけですから、自信を持って次のステップへと進んでいきましょう!

なお、以下に紹介する内容は、CCIE取得を考えている人も、CCIE取得を考えていない人にも役立つ内容であると思いますのでご参考頂ければと思います。先に結論から申し上げますが、CCIEを取得する人も、CCIEを取得しない人も、幅広いメーカー製品に精通していくだけではなく、プロジェクトにおける「PL」や「PM」として案件対応できるようになることが重要。

CCIE取得を考えないキャリアアップ

そもそもの話ですが、会社から支給される給与は、その会社で定義されている給与テーブルに基づいて支給されるため、CCIEだからといって大幅に給料アップということにはなりません。

もちろん「CCIEの資格取得」という結果は、当然評価されるべき結果でありますが、あなたの会社の給与体系において、CCIEという資格があまり評価されていないのであれば、評価されるバランス良い技術習得やプロジェクト遂行能力を上げていく方が賢明かもしれません。

また、転職において重視されるのは資格よりも経験値であることから、幅広いメーカー製品の技術習得に力点を置いた働き方をしていくことが重要だと考える人は多いかと思います。

しかし、やはり目安となる何かを得ておいた方が良いとは思いませんか? また、将来転職する可能性がある人の場合、経験値だけを積み上げても何か具体的なアピールポイントがなければ不安にならないでしょうか?

そこで、CCIEの取得を考えていない人がキャリアアップを考える上で重視して頂きたいのは、プロジェクトにおける役割です。具体的に「メンバー」「PL」「PM」という役割がありますが、これら全てを経験しておけばかなり評価される対象となります。

もし、CCIEの資格習得に膨大な時間投資や高額な受験費用を負担したくないという方は、上述のように幅広いメーカー製品に精通してスキルアップするだけでなく、PLやPMのポジションで案件対応できるようにキャリアアップしていくことをお勧めします

当方はCCIEなど資格取得をがんばりましたが、それと合わせてこのPL、PMとしての経験値を得ることも重視して働いてきました。また、Cisco製品以外にも例えばJuniper製品、F5製品、PaloAlto製品に精通するようにスキル習得を行ってきました。

みなさんは色々な会社で色々な事情を抱えながら、色々な立場でお仕事をされていると思うのでここで書いた内容が全く役立たない人もいらっしゃるかもしれませんが、キャリアアップやキャリアパスを考える上で1つの意見としてご参考頂ければ幸いです。

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