Catalyst - StackWise Plus



 ◆ Catalystスイッチ - スタックとは

 スタックとは、正確にはStackWiseまたはStackWise Plusテクノロジーのこと。スタック機能によって
 設定情報やルーティング情報等をスタック内の全スイッチで共有することになるので、物理的には複数
 のスイッチが1台の仮想的なスイッチとして動作します。スタック内の各スイッチごとの設定が不要です。


    



 スタックはCatalyst3750Xの背面にあるStackWise Plusポートにスタックケーブルを接続して構成します。
 スタックケーブルによる相互接続によりスイッチ間の帯域幅は64Gbpsとなります。スタック接続は下図の
 ようにスタック内のスイッチがループ状になるように接続させる必要があります。なお、1つのスタックは、
 最大で9台の物理スイッチで構成できます。C3750Xを購入すると、標準で50cmスタックケーブルが添付
 されますが、4台以上で構成するならマウント位置により、1m や 3m のケーブルを購入した方が良いです。


    


 スタックを構成するために、全てのスタックメンバーで以下の3点が一致している必要があります。
 @ IOSまたはIOS-XEのソフトウェアバージョン A ライセンス B SDMテンプレートの設定


 ◆ StackWise と StackWise Plus の違い

 スタックを構成する際にIOSさえ同じバージョンであれば、異なる機種同士でもスタックすることができます。
 ただし、StackWise対応の機種とStackWise Plus対応の機種が混在した場合はStackWiseとして動作します。

スタック技術 対応機種 スタックのスループット
StackWise Catalyst3750 32Gbps
StackWise Plus Catalyst3750-E、Catalyst3750-X 64Gbps


 StackWiseの送信元ストリッピングを使用する場合、例えばSW1のPort1からPort5にユニキャストパケットが
 送信されると宛先がローカルSWであってもスタックケーブルのリングを巡回します。一方、StackWise Plusの
 
宛先ストリッピングはリング全体を巡回することなくローカルスイッチングが行われます。下図を参照下さい。


     


 送信元ストリッピングでは、リング上に送信されたパケットが宛先に転送される際にコピーされてからリング
 全体に転送されます。リング全体を巡回し終わるとパケットは送信元に戻り、リングから取り除かれるという
 動きをするのに対し、宛先ストリッピングでは、パケットが宛先に到達した時点でリング上から削除されます。



 ◆ Catalyst 3850 StackWise-480とCatalyst3750 StackWiseとの互換性

 Catalyst 3850スイッチとCatalyst 3750スイッチとではハードウェアアーキテクチャが異なることから
 Catalyst 3850「StackWise-480」とCatalyst3750系「StackWise」とではスタック構成を組めません。

スタック技術 対応機種 スタックのスループット
StackWise-480 Catalyst3850 480Gbps




 ◆ StackWise Plusの仕組み - スタックマスターとスタックメンバー

 スタック構成スイッチのうち1台がスタック動作を制御します。そのスイッチを
スタックマスターと呼びます。
 スタックマスター以外のスイッチは
スタックメンバと呼びます。スイッチマスターは以下順番で選択されます。

順番 説明
1  現在スタックマスターであるスイッチ
2  最高のスタックメンバプライオリティを持つスイッチ
3  デフォルトのインターフェイスレベルの設定を使用していないスイッチ
4

 高いプライオリティ フィーチャ セットおよびソフトウェア イメージを組み合わせたスイッチ
 @ IP Service Feature/暗号化ソフトウェアイメージ
 A IP Service Feature/非暗号化ソフトウェアイメージ
 B IP Base Feature/暗号化ソフトウェアイメージ
 C IP Base Feature/非暗号化ソフトウェアイメージ

5  MAC アドレスが最小のスイッチ


 つまり、ソフトウェアが同じであり何も設定していないCatalyst3750-X同士をスタック接続して起動させると
 MACアドレスが小さいスイッチがスタックマスターになります。マスターになるのかどうかはスタックメンバ
 プライオリティの設定での定義が推奨。スタックマスターは以下イベントが発生しない限り役割を維持します。

 ○ スイッチスタックがリセットされた
 ○ スタックマスターがスイッチスタックから削除された
 ○ スタックマスターがリセットされたか、電源が切れた
 ○ スタック マスターに障害が発生した
 ○ 
電源の入ったスタンドアロンスイッチが追加されて、スイッチスタックメンバシップが増えた。
 
⇒ 既存のスタック構成に新しくスイッチを追加する場合、電源OFFの状態でスタックケーブルを接続してから電源をONにします。

 スタックマスターにはスイッチスタックの保存済みのコンフィグが格納されます。すべてのスタックメンバは
 定期的にスタックマスターからコンフィグの同期化されたコピーを受信します。スタックマスターが使用不能
 になるとスタックマスターの役割を引き受けたスタックメンバが最新のコンフィグを保持することになります。



スタックとは (StackWise/StackWise Plus) - コンフィグ設定

ネットワークエンジニアとして

Copyright (C) 2002-2024 ネットワークエンジニアとして All Rights Reserved.