Cisco Router - show interfaces



 ◆ Ciscoルータ - show interfaces

 show interfaceコマンドにより、Ciscoルータのインターフェースのステータスを確認できるだけでなく
 インターフェースで送受信したパケットの統計情報や5分間平均のスループット情報なども確認できます。
 以上の内容からネットワーク障害対応時にとても役立つコマンドと言えます。ネットワークエンジニアに
 なりたいのならshow interfacesコマンドで出力される全ての項目の内容を理解しておく必要があります。

 ただ単にshow interfacesと入力すると、そのCiscoルータの持つ全てのインターフェースの情報が順に
 表示されていくので、以下のコマンド入力のようにshow interfacesコマンドの後に、ステータス状態を
 確認したい特定のインターフェース(今回はFastEthernet0)を指定し、コマンド入力するのが一般的です。

 

項目 説明
FastEthernet0 is up

 FastEthernet0のインターフェースが物理層として正常に動作できるかどうかを示す。見方は以下。
 「up」:物理層として正常に動作することを意味する。ルータ I/Fの場合は有効化すれば「up」となる。
 「down」:物理層として正常に動作しないことを意味する。
 「administratively down」:I/Fが"shutdown"された状態であることを意味する。

line protocol is up

 FastEthernet0のインターフェースがデータリンク層として正常に動作できるかを示す。見方は以下。 
 「up」:データリンク層として正常に動作することを意味する。
 「down」:データリンク層として正常に動作しないことを意味する。
 ※ LANでは、正しくLANケーブルが接続されていれば「up」となり、そうでなければ「down」のまま。

Hardware is・・  ハードウェアタイプの情報。この情報はあまり重要ではない。
address is・・  FastEthernet0のインターフェースのMACアドレス。
Internet address is・・  FastEthernet0のインターフェースのIPアドレスとサブネットマスク。
MTU  Maximum Transmission Unitの値。単位は「 byte 」。
BW  Bandwidth ( 帯域幅 ) の値。単位は「 kbps 」。
DLY  Delay ( 遅延 )の値。単位は「 マイクロ秒 」。
reliability

 インターフェースの信頼性。「255/255」が最も信頼性高く、「0/255」が最も信頼性が低い状態。
 そのI/Fでパケットロスや問題が発生したりすると、この信頼性の値 (5分間平均の値) が変化する。

txload

 インターフェースの送信状態の負荷。100Mbpsのインターフェースで「255/255」となっている場合
 5分間平均で100Mbps全開で使用している負荷の高い状態。例えば「127/255」となっている場合、
 5分間平均で約50Mbps全開で使用している状態。「1/255」の場合、ほとんど送信していない状態。

rxload  インターフェースの受信状態の負荷。txloadと同じ考え方でこの値は5分間平均で算出された値。
Encapsulation

 インターフェースのデータリンク層でのカプセル化タイプ。LANのインターフェースでは以下の4種類
 @ Ethernet II (ARPA) A 802.3Raw (novel-ether) B SNAP (snap) C 802.2LLC (sap) がある。
 デフォルトでは「ARPA」。シリアルのインターフェースの場合はデフォルトで「HDLC」となっている。

loopback  インターフェースにループバック機能が設定されているかどうかを示す。
Keepalive  10秒ごとにキープアライブのメッセージを送信して、データリンク層が正常であるかを確認している。
Full-duplex  duplexが全二重であることを示す。duplexの状態によりAuto状態、Half状態などを確認できる。
100Mb/s  speedが100Mbpsであることを示す。speedの状態により現在のそのI/Fでの伝送速度を確認できる。
100BaseTX/FX  LANインターフェースの規格状態を示す。
ARP type  指定されているARPのタイプを示す。ここではデフォルトのARPAが確認できる。
ARP Timeout  ARP情報がキャッシュされてからどのくらい保持するのかを示す。デフォルトでは4時間キャッシュ。
Last input

 パケットをインターフェースで最後に受信してからの経過時間。例えば、このインターフェース上で
 障害が発生した場合、このタイマーを参考にして、いつ問題が発生したのかを推測できる。

output

 パケットをインターフェースで最後に転送してからの経過時間。例えば、このインターフェース上で
 障害が発生した場合、このタイマーを参考にして、いつに問題が発生したのかを推測できる。

output hang

 インターフェースで最後にリセットしてからの経過時間。リセットの発生はこのインターフェースから
 パケットの送信に時間がかかりすぎた場合などに発生。「never」はリセットが一度もない事を示す。
 障害が発生した場合、このタイマーを参考にして、いつに問題が発生したのかを推測できる。

Last clearing of ・・

 インターフェースのカウンター情報はclear countersコマンドを入力することでクリアできる。
 このclear countersコマンドを入力してからの経過時間を示す。一度もclearしてない場合は "never"。

Input queue:

 sizeとはinput queueの現在のサイズ。maxとはqueueの最大サイズ、dropsとは破棄されたパケット数。
 ここでは「75」を超えるパケットがキューに格納されそうになった時、dropsカウンターが増加する。

Total output drops:

 インターフェースから送出できなかったパケット数を示す。通信障害が発生していて「ネットワーク
 機器でパケットをドロップしているのではないか」と疑われたら、先ず、このカウンターを確認する。

Queueing strategy:  QoSの実装方式を示す。ここではLANインターフェースのデフォルトである「FIFO」となっている。
Output queue:

 インターフェースの出力キュー内のパケット数を示す。誤解してはいけないのは、このカウンターは
 先ほどの「input queue」の情報と同様に、"インターフェースで受信したパケット数"の情報ではなく
 "キュー内のパケット数"を意味する。このあたりは、QoSに関する知識があればすぐに明快になる。

5 minute input

 そのインターフェースでの5分間平均の受信bps(bits/sec)、受信pps(packets/sec)が確認できる。
 インターフェースでどのくらいのスループットが出ているのかは受信bps(bits/sec)が目安になる。

5 minute output

 そのインターフェースでの5分間平均の送信bps(bits/sec)、送信pps(packets/sec)が確認できる。
 インターフェースでどのくらいのスループットが出ているのかは送信信bps(bits/sec)が目安になる。

packets input, bytes  正常に受信したパケット数と合計のバイト数
Received broadcasts  正常に受信したマルチキャスト/ブロードキャストの合計数
runts

 インターフェースのメディアの最小パケットサイズより小さいために破棄されたパケットの数。
 イーサネットでは、最小サイズの64byte未満のパケットがインターフェースで受信した場合
 破棄される。runtsのカウンターが発生する要因の多くがコリジョンを受信しているケース。

giants

 インターフェースのメディアの最大パケットサイズより大きいために破棄されたパケットの数。
 イーサネットでは、最大サイズの1518byteを超えるパケットを受信した場合、破棄される。

throttles

 メモリでのバッファやプロセッサに負荷がかかりすぎた場合にカウントされる。
 ネットワーク規模に対してルータのスペックが不足している、メモリが不足している可能性がある。

input errors  runts, giants, throttles, CRC, frame, overrun, ignoredのエラーカウントの合計数。
CRC

 インターフェースで受信したパケットがCRC ( Cyclic redundancy checksum ) チェックに失敗した
 場合にカウントされる。ケーブル不良、対向機器のポート不良、自身のポート不良などが考えられる。

frame  CRCエラーやオクテットの数に誤りがあるパケットを受信した場合にカウント。
overrun  受信速度が処理能力を超えたために、インターフェースのバッファに送れなかった場合にカウント。
ignored  インターフェースでの受信時のバッファ不足により破棄された場合にカウント。
watchdog  2048byteよりも大きなサイズのパケットを受信した場合にカウント。
input packets with・・  受信したパケットは問題なく処理されるが、フレーム長がわずかに長いものを受信した場合にカウント。
packets output, bytes  正常に送信したパケット数と合計のバイト数
underruns  送信時にバッファの処理能力を超える速度でパケットを送信した場合にカウント。
output errors  パケットを送信する際にエラーが発生した場合にカウント。
collisions  パケットを送信する際にコリジョンが発生したことにより、再送された場合にカウント。
interface resets  パケットを送信する際に数秒間の待ち時間が発生してインターフェースリセットが起きるとカウント。
unknown protocol drops

 認識できないプロトコルのパケットを検出した場合にカウント。
 例えば、CDPを有効にしたインターフェースと無効にしたインターフェースを相互接続すると発生する。

babbles  Transmit jabber timer expired.
late collision  lateコリジョン(プリアンブルを転送した後にコリジョンが起こる時に発生)を検出した時にカウント
deferred

 Number of times that the interface had to defer while ready to transmit a frame
 because the carrier was asserted.

lost carrier  送信中にキャリアが失われた場合にカウント。
no carrier  送信中にキャリアが検知されない場合にカウント。
output buffer failures  インターフェースからパケットを送出する際のバッファに失敗した場合にカウント。
output buffers swapped  インターフェースからパケットを送出する際のバッファをスワップした時にカウント。


 キャリアとは、ワイヤが別の送信ステーションで使用されているかどうかを検出するためのイーサネット機器で使用される電気信号。


 show interfacesの各情報は全て重要である事から全てを知っている必要がありますがこれらの情報は
 ネットワークエンジニアの仕事をしていれば自然と身についていくのでその都度参照しておきましょう。
 CCNA/CCNP/CCIE試験などでこれらの各項目について問題が出題されるようなことはありません。



 ◆ Ciscoルータ - show interfaces( 物理層とデータリンク層の正常確認 )

 show interfaceコマンドの表示項目のなかで最も重要なのは、最初の1行目の部分です。この1行目で
 そのインターフェースが物理層とデータリンク層で、正常であるかどうかを判断することができます。
 今回はSerialインターフェースを例に解説しますが、LANインターフェースでも基本的な考え方は同じ。


              

 
Serial0/0 is line protocol is 意味
administratively down down  Interfaceがshutdownされている状態。no shutdownで有効にする必要がある。
down down

 物理層が正常に動作しない状態。以下の原因が考えられる。
 ・ 物理的にケーブルが接続されていない
 ・ 物理的にインターフェース不良である
 ・ 対向機器のインターフェースがshutdownされている

up down

 データ層が正常に動作しない状態。以下の原因が考えられる。
 ・ キープアライブが届いていない
 ・ データリンク層のカプセル化タイプが一致していない
 ・ クロックレートの設定がされていない。(クロックの供給を受けていない)
 ・ ケーブルが正常に接続されていない。(ケーブルが外れかけている)

up up  このインターフェースでの物理層、データリンク層は正常であるといえる。


 なお「 Interface is up / line protocol is up 」という項目は、show interfacesコマンドではなくて、
 show ip interfaces briefコマンドを入力することで、この項目だけを一覧で確認することができます。


 ちなみに、ルータの物理インターフェースを「no shutdown」により有効化した場合、ケーブルが未接続の
 状態でも「Interface is up, line protocol is down」となりますが、Catalystスイッチでは「no shutdown」
 で有効化した場合、ケーブルが未接続の状態では「Interface is down, line protocol is down」となります。



Ciscoルータの基本設定

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