EIGRP by Cisco Router 5



 EIGRP - Variance -

 全てのルーティングプロトコルはロードバランシングをサポートします。RIPならホップ数、OSPFなら
 コスト値が同じである場合、ルーティングテーブルでは1つの宛先に対して複数の経路が見えます。
 CiscoIOSではルーティングテーブル上に同じコストのパスを最大で6つ (デフォルトは4つ)持てます。
 このロードバランシングを無効にする為には[ 1 ] にします。BGPについてはデフォルトで [ 1 ] です。


 
Cisco(config)# router eigrp 1
 Cisco(config-router)# maximum-paths 1



 このロードバランシングは、宛先に対するコストが同じであるということから、Equal-cost balancing
 とも言われます。EIGRP(IGRP)についてはこのEqual-Cost balancingだけでなく、ある宛先に対して
 コスト値が同じでない場合でもロードバランスさせられる Unequal-Cost balancingもサポートします。

 EIGRPで異なるメトリック値でもロードバランシングさせるためには variance コマンドを使用します。
 前提として、EIGRPでロードバランシングとなる対象の経路はFeasible Successorルートになります。
 varianceの値はSuccessorルートのFD値となり、varianceの後のパラメータ値はそのFD値を基準と
 した乗数です。例えば、SuccessorルートのFD値が[ 1100 ] で variance 2 とコマンドで設定すれば
 FD値が [ 2000 ] の Feasible Successorルートがロードバランシングの対象経路となります。以下
 traffic-share balanced (デフォルト設定) により、メトリックの比率に応じてトラフィックを分配します。


 
Cisco(config)# router eigrp 1
 Cisco(config-router)# traffic-share balanced
 Cisco(config-router)# variance 2



 ちなみに、ロードバランシングにおいて、プロセススイッチングならパケットごとに分散されるに対して
 I/F に ip route-cache( defalut) があれば、ファーストスイッチングにより宛先ごとにバランシングします。

 


 EIGRP - メトリック計算の変更 -

 EIGRPのメトリックには、[ bandwidth ] [ delay ] [ reliability ] [ load ] [ mtu ] の5つがありますが、
 EIGRPのメトリック計算に使用されるのは、デフォルトで [ bandwidth ] [ delay ] の2つとなります。
 メトリック計算式は以下の公式であり、各K値はデフォルトで[ K1=K3=1, K2=K4=K5=0 ]となります。

 → メトリック = ( K1×帯域幅 ) + [ ( K2 ( 帯域幅 ) ÷ ( 256-負荷 ) ] +1 ×遅延

 K値がデフォルト値である場合、上記の公式を展開すると [ メトリック = 帯域幅+遅延 ] であると
 導かれ、K5がデフォルト値[ 0 ]でない場合、上記で求められた結果からさらに以下の計算を行う。

 → メトリック = メトリック × [ K5 ÷ ( 信頼性 + K4 ) ]

 このK値は、以下のコマンドにより変更することが出来ますが、K値はEIGRPのHelloパケットにより
 運ばれるため、ネイバー間で各K値がことなる場合、ネイバーを確立することは出来なくなります。


 Cisco(config-router)# metric weights tos k1 k2 k3 k4 k5




 EIGRP - スプリットホライズンの無効化 -

 全てのインターフェースはデフォルトでスプリットホライズンが有効化されています。この状態は
 show ip interface で確認できます。 有効な場合 [ Split horizon is enabled ] と表示されます。
 しかし、NBMAネットワークのハブルータでスプリットホライズンが有効である場合、あるスポーク
 ルータからの経路を他のスポークルータに通知されることはありません。但し、フレームリレーの
 場合、インターフェースで[ encapsulation frame-relay ]と入力した時点で、そのインターフェース
 では、スプリットホライズンが自動的に無効化 [ Split horizon is disabled ] されます。つまり、
 NBMAネットワークでダイナミックルーティングプロトコルを問題なく使用できることを意味します。

 ※ 但し、EIGRPを使用している場合、I/F上でEIGRP AS指定で明示的にスプリットホライズンを無効にする必要があります。


 Cisco(config-if)# no ip split-horizon eigrp 100




 EIGRPスタブルータ

 ダウンストリーム ( 下り方向側 ) にEIGRPネイバーが存在しないという事は、失われたルートの代替
 パスが存在しないことから、そのEIGRPルータはクエリをもらう必要がありません。EIGRPスタブルータ
 に設定されたルータには、アップストリーム側のルータからクエリが送信されなくなるようにできます。

 ハブ&スポークトポロジーのスポーク側では、一般的にローカルでないトラフィックを全てハブルータへ
 転送するだけなので、スポークルータ側で完全なルーティングテーブルを持つ必要がないことからも、
 スポークルータを EIGRP スタブルータとすることで、ネットワークの安定性の向上、リソース利用率の
 減少することができます。スタブの設定はスタブルータ側だけで行われます。また、この設定はスタブ
 ルータに経路情報がアドバタイズされるのを防ぐためではなくて、クエリーを送信されなくする設定です。


 Cisco(config)# router eigrp 1
 Cisco(config-router)# eigrp stub [ receive-only | connected | static | summary ]

 
eigrp stub コマンドのパラメータ
receive-only

 stubルータは、自身の持つ全てのタイプの経路情報を送信しなくなり、EIGRPの経路情報を
 ハブルータから受信するだけとなります。他のキーワードとは一緒に指定できなくなります。

connected

 stubルータは、connectedルートをハブルータに送信できるようになります。connectedの
 ネットワークがnetworkコマンドに含まれていない場合、redistribute connectedの必要あり。

static

 stubルータは、staticルートをハブルータに送信できます。redistribute static の必要あり。

summary

 stubルータは、集約ルートルートをハブルータに送信できるようになります。stubルータにて
 手動で ip summary-address eigrpコマンドで作成するか、auto-summaryで自動集約された
 サマリールートが送信されます。connected, static, summaryコマンドは組合せて使用可能。




 Resource : Routing TCP/IP Volume 1  BSCI 試験認定テキスト 第2版 CCO Enhanced IGRP インターネットルーティング入門



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