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ある晴れた昼下がり、突然鳴り響く一本の電話。
ささやかな昼食を終え、それまでのまどろみから静寂をやぶるその電話・・・
古びた椅子に横たえられた少しけだるい体にむちをうち、そっと手を伸ばし取ってやる。
『 はい、かしこまりました。今すぐ、対応させて頂きます。
詳細な状況をつかみ、その対応策をすぐにお電話させて頂きます。』
それまでのまどろみはどこへやら、引き締まった声で応対している・・・
そう、これはトラブル対応なのだ。
その引き締まった声よりも、不自然に正しくされたその体の姿勢が、
これからトラブル対応すべき者としての雰囲気をかもし出している。
手慣れた手つきでリモート接続し、お客様の説明を頭の中で優しくイメージしてみる。
それはまるで、湖のほとりの風景を優しくイメージしているかのように。
接続を確認し、パスワードを打ち込んだその直後、
思考よりもはやく体が反応し、10本の指がキーボード上を駆け巡る。
sh logging、sh ver、sh int
、sh dialer
int serial 0/1、sh ip rou ・・・
これらの情報を得た後、自分にも聞こえないくらいの声でつぶやいてみた。
・・・ ここで整理をしてみよう ・・・
お客様から頂いた情報は・・・
→ 本日午後12時25分ごろ、名古屋支店から本社への
WAN回線 がダウン。
WAN回線は 1.5Mbps のデジタル専用線。( ハイスーパーデジタルTA を使用 )
※ ハイスーパーデジタルTA :
よく使用されているTAで T 点出力モニタの機能がある
お客様からの確認依頼の事項は・・・
@ バックアップ回線としての
INS 64
は問題なく使用できているのか?
A プライマリー回線ダウンにより、通信できていないネットワークは?
B トラブルの原因は?
先ずは @、これは show dialer
、show
interface により INS 64 を使用している確認が取れた。
フローティングスタティックが上手く効いている!
ただよう スタティック、ありがとう!
本当にただよってくれたんだね。
次に A、 これは show ip route、PING
により 通信出来ていないネットワークはないと分かった。
フローティングスタティックを採用していることで、EIGRP
から スタティックルートに切り替わる。
名古屋から本社への経路としては、デフォルトルート
を フローティング しているし、
本社から名古屋への経路としては、名古屋に存在する
セグメント を 宛先としている
スタティックルート を 全て
フローティングしている。
問題は B、まだ トラブルの原因
は特定できない・・・
show int serial 0/1 で、Layer
1、2
ともに down down と表示されている。
show logging と show version
から、ルータ本体がダウンしたわけでもなく、
ルータの本体の不良、DRAMの不良などは考えられない。
ここでトラブルの原因と考えられるのは、次の4つだろう。
@ キャリア側の回線の問題。
A DSUの問題
B DSU と ルータ とを接続しているケーブルの問題
C Serial Interface のモジュールの問題
よし、お客様に DSU のランプ表示を確認して頂こう!
ここで、ISDN参照点の S
点、U
点、T 点 の知識がようやく役に立つ!
・・・ よし、コールバックだ
! ・・・
お客様からの確認依頼の事項を
ひとまず回答できるからであろうか、
なにやら自信ありげに、電話に鋭く手を伸ばしている。
そう、それは 先ほど電話を取った時のゆるやかさとは対照的に・・・
――― お客様の返答により、以下のように応対可能です ―――
@ DSU の LI 点 ( = U 点
) にアラームがあがっている!
→ キャリア側の問題の可能性が高い。キャリアにご連絡して頂きましょう。
A DSUのランプが全く付いていない!
→ DSUの不良が考えられます。キャリアにご連絡して頂きましょう。
B DSUのT点にアラームがあがっている!
→ DSU と ルータ とを接続しているケーブルを交換して頂きましょう。
C ケーブルを交換しても、DSUのT点アラームがあがっている!
→ DSUの不良も考えられますが、恐らくルータのモジュール不良です。
現場に作業員を派遣しましょう。
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・・・ 今回は @ が該当!
NTTさんへのご連絡後、WAN回線
UP! ・・・
『 ええ、そうですか。 復旧したようで何よりです。
どんな些細なことでも、またお電話頂けたらと思います。
いつでも早急に対応させて頂きますので。
ええ、それでは、失礼致します。』
安らぎと解放を感じながら、ゆるやかに電話が戻されるのだが、
その動作と同時に、なにやら体も机と椅子に委ねられようとしている・・・
そう、睡眠 への収束が始まったのだ。
OSPF の収束なんて目じゃないというぐらいにその体の姿勢は
およそ睡眠を得るのに理想的なスタイルを取りつつある。
周りを見渡しながら 目を閉じようとする収束完了のまさにその時、
信じられないものが目に飛び込んできた、、時計の針が
1:00 を指しているのだ!
当惑する間もなく、始業開始のチャイムが昼休みの終わりという現実をつきつけるのだった・・・
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