MSTリージョン
同じMSTのコンフィグ情報を共有するスイッチの集合をMSTリージョンと言います。同じMSTのリージョンに
スイッチを参加させるためには、リージョン名、リビジョン番号、各VLANとインスタンスのマッピングテーブルの
3項目を同じにする必要があります。MSTリージョンには、同一のMSTコンフィグを持つスイッチが最低で1つ
以上必要であり、その各メンバーはRSTP
BPDUを処理できる必要があります。またスイッチネットワーク上で
MSTリージョンの数に制限はありません。インスタンスは
[ 0 〜 4096 ] の数字で識別することが出来ますが
各リージョンがサポートできるインスタンス数は
[ 65 ] まで。各VLANは、1つのインスタンスのみに割当可能。
また、同一リージョン内のMSTインスタンスは、同じプロトコルタイマーを共有することになりますが、各MST
インスタンスは独自のトポロジーパラメータ
( ルートスイッチID, ルートパスコスト ) などを持つことができます。
MSTリージョン内の動作
ISTは1つのリージョン内の全てのMSTPスイッチを接続します。ISTが収束すると、ISTのルートスイッチは
つまり、リージョン内のルートスイッチはCISTリージョナルルートになります。CISTリージョナルルートは、
CISTルートに対してMSTリージョン内で最も低いパスコストを持つスイッチです。従って、CISTリージョナル
ルートのスイッチは必ず境界(Boundary)ポートを持つスイッチです。CISTルートへのパスコストが同じ値の
スイッチがいる場合、スイッチプライオリティを比較し、どちらがCISTリージョナルルートになるかを決めます。
※ 例えば、リージョン内にスイッチが1つしかない場合、そのスイッチが、インスタンスルート兼CISTリージョナルルートになります。
MSTPスイッチは初期化時に自身がCISTルート及びCISTリージョナルルートであることを主張するために
CISTリージョナルルート、CISTルートへのパスコストがいずれも
[ 0 ] にセットされたBPDUを送信します。
また、スイッチは初期化時に自身がMSTインスタンスのルートであることも主張します。対向スイッチとの
やりとりの結果、現在保持しているルート情報よりも優位のMST情報を受信するとその主張を撤回します。
MSTリージョン内で生成されるBPDU
MSTリージョン内においては、MSTPスイッチは、1つの(1種類)のBPDUのみを送信します。MSTでは
VLANごとやインスタンスごとにBPDUが生成されて送信される訳ではありません。あるMSTPスイッチで
インスタンスが増えた場合、新たなBPDUが生成されるのではなく、リージョン内で送信されるBPDUには
[ Mレコード ] というところにそのMSTインスタンス情報が含まれることになります。フォーマットは以下です。

MSTインスタンスは自身の情報をBPDUのMレコードに追加して、隣接スイッチと通信して最終的な
スパニングツリーを計算します。以上のことから、BPDU伝送に関連するスパニングツリーパラメータ
( Helloタイム、転送時間、最大エージングタイム、最大ホップ数 ) などはISTインスタンスのみで設定
されるとはいえ、上図のフォーマットを見れば分かるとおり、全てのMSTインスタンスに影響します。
尚、スパニングツリートポロジーに関連するパラメータ ( スイッチプライオリティ、ポート ( VLAN ) コスト、
ポート ( VLAN ) プライオリティなどはISTインスタンスとMSTインスタンスの両方で設定可能となります。

※ MSTインスタンスのスパニングツリー情報はMレコードに含まれ、IST BPDUの一部としてリージョン内部で交換される。

※ リージョン外とみなされた境界のポートでは、MSTI BPDUは送出されず、IST BPDUのみ送信される。
※ 各リージョン間でBPDUを送受信するのはISTインスタンスだけ。MSTインスタンスはリージョンの外にBPDUを送信しない。
|