RPの定義方法
PIM-SMでマルチキャストトラフィックを転送させるためには、各グループに対するRPが必要となりますが、
そのRPを定義する方法はStatic RP、Auto-RP、BSRの3つがあります。Static RPは、各ルータごとに
RPアドレスを定義していく静的な手法です。それに対して、Auto-RPとBSRは、マルチキャストグループと
RP間のマッピングを自動化してくれる動的な手法です。その中で今回はAuto-RPについて解説します。
※ PIM version1では、BSRを使用することが出来ないのでRPの定義方法はAuto-RPとStatic-RPの2つの手法だけとなります。
Auto-RPとは
小規模なネットワークならコンフィグやメカニズムが簡単なStatic
RPが適していますが、大規模になると
各ルータごとにRPのアドレスを手動で定義していくことは、とても構築が大変でそのミスが原因で不整合
が発生してネットワーク接続に問題が発生する可能性があります。
このような問題を回避させる為に、大規模なネットワークでは動的にRPを定義する手法がよく使われます。
Auto-RPがその手法のうちの1つですが、これはシスコ独自仕様のプロトコルです。Auto-RPは文字通り、
PIM-SMにおいてマルチキャストグループとRP間のマッピングを自動化をしてくれるものです。
Auto RPのメカニズム & 構築手順
先ず、RP Candidate (RPになりたいルータ) を決めます。RP Candidate
は「自分がRPになりたい!」
アナウンスのマルチキャストトラフィックを
224.0.1.39 ( Cisco-RP-announce グループ ) を宛先として、
pim-sparse-denseモードのインターフェース上から、denseモードを利用して、転送されていきます。
次に、RP Mapping Agent ( RP とグループをマッピングしてくれるルータ
) を決定します。RPマッピング
エージェントは、先ほどのマルチキャストグループの
224.0.1.39 の参加者です。つまり、参加者=受信者。
RP Mapping Agentは、224.0.1.39 (
Cisco-RP-announce)
を受信することで、RP Candidateを検出できる
ようになります。そして、announceで得た情報をもとに作成したマルチキャストグループとRPのマッピング
情報を、全てのPIMルータに対して、224.0.1.40 ( Cisco-RP-discovery ) を宛先として、これも同様に
pim-sparse-denseモードのインターフェース上から、denseモードを利用して、転送されていきます。
※ [ 224.0.1.39 ] と [ 224.0.1.40 ] のためのRPは定義されていないので、pim-sparse-dense
の [ dense ] が必要なのです。
最後に、全てのPIMルータは 224.0.1.40 ( Cisco-RP-discovery
) の参加者 ( 受信者 ) に自動的になり、
RP Mapping Angetから送信される RP-discoveryを受信して、RPの情報を自動で得られることができます。

全てのPIMルータは 224.0.1.40 ( Cisco-RP-discovery
) の参加者 ( 受信者 ) になる・・・ということは、
RP Candidateも 224.0.1.40のトラフィックを受け取ることになり、マッピング情報を得られることが出来ます。
上図で言えば、R1、R2も 224.0.1.40のマルチキャストグループに参加しています。つまり受信します。
最後に、224.0.1.39 ( RP-announce
) の受信者であり、224.0.1.40
( RP-discovery ) の送信者である
RP Mapping Agentは、Auto-RP構築において要の存在となります。Mapping
Angetにするルータには、
安定性と到達性の高さが求められます。RP-discoveryメッセージは Mapping Agentからのホップ数が
TTL値の範囲内のルータしか受け取れませんので、RP
Mapping Agentの配置場所には気をつけましょう。
※ Resource : IPマルチキャストネットワーク開発ガイド Vol
1 BCMSN認定テキスト 第二版 マスタリングTCP/IP マルチキャスト編 |