RPの定義方法
PIM-SMでマルチキャストトラフィックを転送させるためには、各グループに対するRPが必要となりますが、
そのRPを定義する方法はStatic RP、Auto-RP、BSRの3つがあります。Static RPは、各ルータごとに
RPアドレスを定義していく静的な手法です。それに対して、Auto-RPとBSRは、マルチキャストグループと
RP間のマッピングを自動化してくれる動的な手法です。その中で今回は
[ BSR ] について解説します。
BSR ( Bootstrap Router )
このBSRは、PIM version 2で使用することができます。用語の説明として、BSRとはRPの情報配信の
自動化の手法の名前であり、Auto-RPでいう[
RPマッピングエージェント ]に該当する名前でもあります。
あと、Auto-RPの場合はマルチキャストグループとRPのマッピング情報を、全てのPIMルータに対して
224.0.1.40を宛先として伝えていましたが、BSRの場合、全てのPIMルータに対して 224.0.0.13 を
宛先として、PIMメッセージタイプ [ Bootstrap
] に情報を含めて1ホップずつフラッディングすることに
より伝えます。224.0.0.13はTTL1のリンクローカルなマルチキャストであり
hop-by-hop に伝わるので
Auto-RPのように、インターフェースのモードが
[ pim-sparse-dense ] モードである必要はありません。
BSR のメカニズム
先ず、BSRを選出します。BSR選出のためにBSRメッセージに含まれるルータのBSRプライオリティを
利用します。一番高いBSR プライオリティを持つルータが
BSR になります。BSRは 「自分がBSRである」
ことを通知するために、224.0.0.13 [ All
PIM Router ] の宛先に対してBSRメッセージを送信します。
隣接する PIMv2ルータは、引き続き自分が隣接する
PIMv2 ルータに対してBSRメッセージを送信します。
宛先アドレスが 224.0.0.13 ( TTL=1 ) ということから、BSRメッセージは1ホップずつ送信されていきます。
次に、このBSRメッセージがPIMネットワーク全体に知れ渡ることから、BSRにおける[
RP Candidate ]は、
BSRプライオリティの最も高いアクティブな「BSRのユニキャストアドレス」を知れるので、BSRのルータに
ユニキャスト伝送で、「自分がRPになりたい」とグループに対する
[ RP-Announce ] メッセージを送ります。
最後に、RP-Annouceメッセージを受け取った「アクティブBSR」はグループとRPがマッピングされた情報を
224.0.0.13 を使用して再び hop-by-hop
で伝えていくことで、ネットワーク上の全ての
PIMv2 ルータが
グループに対するRPのマッピング情報を知ることができるようになります。当然ながら、下図でR1、R2も
BSRメッセージを受信することができます。一般的に
BSR と RP Candidate は同じにすることが多いです。

PIM version1 と PIM version2 の互換性
PIM version2 は、IETF標準ベースのマルチキャストプロトコルであり、マルチキャストネットワークでは、
このバージョンを使用することをシスコは推奨しています。シスコルータが実装している
PIM version1 と
version2 は相互運用が可能であり、PIMv2ルータがPIMv1ルータを検出すると、全ての
PIMv1ルータが
なくなるまで、PIMv2ルータは自分のバージョンを1に落とします。
PIMv2で使用できるBSRでは、途中で経由するパスにPIMv1のルータがいると、1ホップずつ送信されて
いくBSRメッセージが到達することができない為、PIMv1ルータが混在するマルチキャストネットワークでは
Auto-RPを使用することが推奨されます。
※ Resource : IPマルチキャストネットワーク開発ガイド Vol
1 BCMSN認定テキスト 第二版 マスタリングTCP/IP マルチキャスト編 |