IP Precedence



 IP Precedenceとは

 イーサネット上でTCP/IPの通信を行う場合、そのフレームには当然20byteのIPヘッダーが付加されます。

     


 以下の通り、その20byteのIPヘッダーの詳細をみると、8ビットのTOS ( Type of Service ) と呼ばれる
 フィールドがあります。その中の3ビットに [ 優先順位 ] というものがあり、これが IP Precedence です。
 このIP Precedenceの値は、例えばPC上から送信されるIPパケットは一般的に [ 0 ] の値で送出されて
 IP電話など音声機器は [ 5 ] で一般的に送信してきます。これらのIPパケットを通過するルータ上にて
 IP Precedence値の変更も可能です。このIP PrecedenceによってIPパケットに優先度をつけています。


      


 


  IP Precedenceの8つのクラス

 IP Precedenceには以下の通り8段階あります。IP Precedence値は高い値ほど優先度が高くなります。
 IP Precedence 6 ( Internetwork control )、及びIP Predence 7 ( Network Control ) は、ルーティングなど
 ネットワーク制御用に予約済みであり、データトラフィックや音声トラフィックなどで使用するIP Precedence
 値は 0 〜 5 で使用します。一般的にPCデータはデフォルトの[ 0 ]で音声トラフィックは[ 5 ]を使用します。

ビット ( IP Precedence値 ) IP Precedence
111 ( 7 ) Network control
110 ( 6 ) Internetwork control
101 ( 5 ) Critical
100 ( 4 ) Flash override
011 ( 3 ) Flash
010 ( 2 ) Immediate
001 ( 1 ) Priority
000 ( 0 ) Routine



 IP Precedenceの設定例 - その1

 レガシーな設定方法としてPBRによるマーキングがあります。以下の設定により、172.16.1.1を宛先とする
 全てのIPトラフィックにIP Precedence値 [ critical = 5 ] を割り当てる結果となります。ACL101に合致しない
 他のIPトラフィックに関しては、そのパケットの持つPrecedence値のままで転送されていくことになります。


 Cisco(config)# access-list 101 permit ip any host 172.16.1.1

 Cisco(config)# route-map R-mark permit 10
 Cisco(config-route-map)# match ip address 101
 Cisco(config-route-map)# set ip precedence critical

 Cisco(config)# interface FastEthernet 0/0
 Cisco(config-if)# ip policy route-map R-mark

 ※ PBRを定義したI/FはデフォルトでProcessスイッチングで動作します。PBRを定義したI/FをFastスイッチングとして動作
   させるためには、I/Fに [ ip route-cache policy ] コマンドを設定します。但し、そのルータ上でグローバルに [ ip cef ]が
   定義されていてCEFが有効である場合、[ ip route-cache policy ] と定義しなくてもCEFスイッチングすることになります。

 ※ PBRにおいて、route-mapに合致しないトラフィックは通常のルーティング処理が行われるので route-map の空うちは不要。



 IP Precedenceの設定例 - その2

 現在の主流な設定方法として、Class-Basedパケットマーキングがあります。この設定を行うためには
 グローバルにて [ ip cef ] が有効である必要があります。以下の設定により、172.16.1.1を宛先とする
 全てのIPトラフィックにIP Precedence値 [ critical = 5 ] を割り当てる結果となります。ACL101に合致しない
 他のIPトラフィックに関しては、そのパケットの持つPrecedence値のままで転送されていくことになります。


 Cisco(config)# ip cef
 Cisco(config)# access-list 101 permit ip any host 172.16.1.1

 Cisco(config)# class-map match-all C-mark
 Cisco(config-cmap)# match access-group 101

 Cisco(config)# policy-map P-mark
 Cisco(config-pmap)# class C-mark
 Cisco(config-pmap-c)# set ip precedence 5

 Cisco(config)# interface FastEthernet 0/0
 Cisco(config-if)# service-policy input P-mark


 ※ class-mapのmatch条件に合致しないトラフィックは通常のルーティング処理が行われるので、class-mapの空うちは不要。





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