Voice VLAN Configuration



 下記のコンフィグ解説を読む前に「 音声VLAN(Voice VLAN)とは 」をご参照頂ければ読みやすいです。
 前回の解説では、switchport voice vlan コマンドを簡単に紹介しましたが、ここでは詳細に解説します。
 switchport voiceコマンドには switchport voice detect cisco-phone もありますがここでは解説を割愛。


 ◆ 音声VLAN ( Voice VLAN ) コンフィグ設定

 switchport voice vlanの音声VLANが設定されたポートに接続されたCisco IP Phoneは、CDPによりVLAN
 だけでなくQoS設定についても提供を受けることができます。また、パケットのCoS値を使用して着信する
 トラフィックパケットを分類するように以下のQoS設定もしておく必要があります。trust dscpでもOKです。

 ◆ QoSの設定
 (config)#
mls qos
 (config-if)#
mls qos trust cos

 ◆ 音声VLANの設定
 
(config-if)# switchport voice vlan [ vlan-id | dot1p | none | untagged ]

コマンド引数 説明
vlan-id


 すべての音声トラフィックが特定のVLANを経由して転送されるようにIP Phoneを設定します。
 デフォルトでは Cisco IP Phone は 802.1p プライオリティ 5 を使用して音声トラフィックを転送。
 VLAN IDを 1〜4094 の範囲で指定( 設定例では VLAN 15をスイッチポートに割り当て )
 (config-if)#
switchport voice vlan 15

dot1p


 VLAN ID 0(Native VLAN)のタグが付いた音声およびデータプライオリティトラフィックを
 受け付けるようにCisco IP Phoneに接続しているスイッチポートを設定する方法
 (config-if)#
switchport voice dot1p

none


 IP Phone が独自の設定を使用してタグなしの音声トラフィックを送信するように設定
 (config-if)# switchport voice none

untagged


 タグなしの音声トラフィックを送信するように IP Phone を設定
 (config-if)# switchport voice untagged


 音声VLANで最も使用される設定はswitchport voice vlanです。要件に応じてその他の引数を指定します。


 ◆ IP Phone ポートで受信したデータトラフィックのプライオリティ設定

 Cisco IP Phoneのアクセスポートには、PCなどのデバイスを接続することができます。CatalystからのCDP
 によって、Cisco IP Phone に IP Phone 上のアクセスポートに接続されたデバイスからのデータパケットを
 どのように送信するかを指定することができます。PCはCoS値が割り当てられたパケットを生成できますが
 IP Phoneではポートに届いたフレームのプライオリティを変更しない、または変更するように制御できます。

 ◆ Cisco IP Phone のアクセスポートから受信したデータトラフィックのプライオリティ設定
 (config-if)#
switchport priority extend [ cos value | trust ]

コマンド引数 説明
cos

 PCから受信したCoS値をこちらで指定したCoS値に変更するようにIP Phoneを設定
 valueは0〜7でありデフォルト値は 0 です。設定例ではCoS値を 2 に変更しています。
 (config-if)#
switchport priority extended cos 2

trust

 PCから受信したCoS値を信頼するようにIP Phoneを設定
 デフォルトでは Untrust 状態にあり CoS 値は信頼されません。
 (config-if)#
switchport priority extend trust




 ◆ Cisco IP Phone接続時の設定例、Avaya IP Phone接続時の設定例

 Cisco IP PhoneをCatalystスイッチに接続する場合は「音声VLAN」のコンフィグ設定を使用しますが、
 他社のIP PhoneをCatalystスイッチに接続する場合は「音声VLAN」ではなくトランクポートの設定を
 します。以下にCisco IP Phoneを接続する設定例と、Avaya IP Phoneを接続する設定例を紹介します。


    

 
◆ Cisco IP Phone接続時の設定例

 Cisco(config)# vlan 10
 Cisco(config-vlan)# name data

 
Cisco(config)# vlan 15
 
Cisco(config-vlan)# name voice

 Cisco(config)# mls qos

 
Cisco(config)# interface FastEthernet 0/1
 Cisco(config-if)# switchport mode access
 
Cisco(config-if)# switchport access vlan 10
 Cisco(config-if)# switchport voice vlan 15
 
Cisco(config-if)# mls qos trust cos
 Cisco(config-if)# mls qos trust cisco-phone
 Cisco(config-if)# priority-queue out



 ◆ Avaya IP Phone接続時の設定例

 Cisco(config)# vlan 10
 Cisco(config-vlan)# name data

 
Cisco(config)# vlan 15
 
Cisco(config-vlan)# name voice

 Cisco(config)# mls qos

 
Cisco(config)# interface FastEthernet 0/1
 
Cisco(config-if)# switchport mode trunk
 Cisco(config-if)# switchport trunk allowed vlan 10,15
 Cisco(config-if)# switchport native vlan 10
 
Cisco(config-if)# mls qos trust dscp
 Cisco(config-if)# priority-queue out
 
Cisco(config-if)# no cdp enable




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