IEEE802.11フレームフォーマット 〜 概要 〜
先ず、Ethernetフレーム (DIX規格) のフォーマットを見てみましょう。Ethernetフレームの先頭に付加される
[ プリアンブル ] とは、Ethernetの送受信においてフレームの始まりを合図するための特別なビット列であり
プリアンブルはフレーム長として含めないで考えるので、Ethernetフレームのサイズは [64〜1518byte] です。

次に、無線LANフレームのフォーマットを見てましょう。IEEE802.11フレームの場合、IEEE802.11a/b/g の
いずれにおいても、PLCPプリアンブル、PLCPヘッダ、PSDUの3つにより構成されます。詳細は以下の通り。

| IEEE802.11フレーム - 3つの構成要素 |
| PLCPプリアンブル |
IEEE802.11フレームの先頭に付加される同期信号のビット列。この情報は物理層で付加される。 |
| PLCPヘッダ |
変調方式(伝送速度)、データ長などの情報があるヘッダ。この情報は物理層で付加される。 |
| PSDU |
IEEE802.11ヘッダと実際のデータから構成される情報。この情報はデータリンク層で付加される。 |
IEEE802.11フレームフォーマット 〜 物理ヘッダの例 ( 802.11b ) 〜
例として物理ヘッダを IEEE802.11b のものとした、WLAN のフレームフォーマットを詳細に見ていきます。

IEEE802.11b の場合、PCLPプリアンブルにはロングプリアンブル(18byte)とショートプリアンブル(9byte)の
2種類があります。ロングプリアンブルの場合は、物理ヘッダ ( PLCPプリアンブル ・ PCLPヘッダ) は常に
1Mbpsで伝送されます。ショートプリアンブルでは、物理ヘッダ ( PLCPプリアンブル ・ PCLPヘッダ) は常に
2Mbpsで伝送されます。無線LANの伝送速度がどのような値でも、物理ヘッダはこの速度で伝送されます。
| IEEE802.11bにおける2種類のプリアンブル |
| ロングプリアンブル |
18 byte ( 144bit ) |
11bでは、PLCPプリアンブル、PCLPヘッダは常に1Mbpsで伝送される。 |
| ショートプリアンブル |
9 byte ( 72bit ) |
11bでは、PLCPプリアンブル、PCLPヘッダは常に2Mbpsで伝送される。 |
IEEE802.11では、送信側 (例:WLAN端末) がどの値の伝送速度でデータが送られてきたのかを、受信側
(例:アクセスポイント) が知るための規定があり、伝送速度の情報があるPCLPヘッダつまり物理ヘッダを
最も遅い伝送速度で送るようにしています。この規定により受信側は常に低速で物理ヘッダを受信します。
PLCPヘッダに書かれた伝送速度が分かれば、その伝送速度でMACフレーム「は」受け取れるようになる。
IEEE802.11フレームフォーマット 〜 IEEE802.11ヘッダ 〜
次に、IEEE802.11フレームの中の 「 IEEE802.11ヘッダ 」 の詳細を見ていきます。Ethernetフレームでは
宛先アドレス、送信元アドレス、タイプの3項目だけでしたが、無線LANでは7項目もフィールドがあります。

| IEEE802.11ヘッダ ( MACヘッダ ) のフィールド |
| Frame Control |
フレームの種類、フレームの宛先、送信元が無線か有線かどうか、フラグメント情報、電力管理、
WEPの使用の有無などの情報を含む。フレームの種類は次の通り。APが発信するビーコンなどの
管理フレーム(00)、Ackフレームなどの制御フレーム(01)、データの送信を示すデータフレーム(10) |
| Duration/ID |
RTS/CTSなどで使用するフィールド。電波を使用する予定期間(フレーム送信に必要な時間)の情報。
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| Address 1 |
宛先のMACアドレス、送信元のMACアドレス、アクセスポイントのMACアドレス(BSSID) などの情報。 |
| Address 2 |
宛先のMACアドレス、送信元のMACアドレス、アクセスポイントのMACアドレス(BSSID) などの情報。 |
| Address 3 |
宛先のMACアドレス、送信元のMACアドレス、アクセスポイントのMACアドレス(BSSID) などの情報。 |
| Sequence Control |
送信するデータのシーケンス番号、またはフラグメント化した場合のフラグメント番号の情報 |
| Address 4 |
宛先のMACアドレス、送信元のMACアドレス、アクセスポイントのMACアドレス(BSSID) などの情報。
※ ビーコンなどの管理フレームである場合、このフィールドに SSIDの情報 (実際の文字列) がある。
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※ 制御フレーム(01)としては、[ RTS、CTS、Ack、PS-Poll ] の4種類のフォーマットがあります。管理フレーム(00)は代表的なものとして、
[ ビーコン、プローブリクエスト、プローブレスポンス、アソシエーションリクエスト、アソシエーションレスポンス、認証 ] などがあります。
Address1/2/3/4のフィールドのアドレス情報については、以下の通りネットワーク構成により変化します。

Aの場合、送信元のPCはEthernetフレームを送信してくるので、宛先アドレスと送信元アドレスの情報
しか指定していません。これをAPにてヘッダーを書き換えて上図のAddress1/2/3の情報に変更します。
Bの場合、送信元のPCはIEEE802.11フレームを送信してきます。APはこのIEEE802.11フレームを宛先
と送信元アドレスの情報だけのEthernetフレームのフォーマットに変更して有線LANの宛先に転送する。
Cの場合、送信元のPCはEthernetフレームを送信してくるのでこれを上図のようなIEEE802.11フレーム
に変更して転送します。そのフレームを受信したAPはEthernetフレームのフォーマットに変更して有線へ。
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