Network Engineer



 ◆ ベンダー側のネットワークエンジニア - SP系 or EP系 or 公共

 シスコ認定パートナー等のベンダーはある程度の企業規模になると、以下のように顧客の業種によって
 事業本部を分けるのが一般的です。実際には金融、製造などより細かく事業本部を分けますが、大きくは
 ネットワークエンジニアが所属する事業本部は基本的には以下の3種類(SP、EP、公共)に分類できます。



      

3つの事業本部 説明
SP系


 サービスプロバイダーを担当する所。顧客はNTT、KDDI、Softbankなどをはじめとしたメジャーな企業
 ばかりです。ISP系インフラ、WAN系のインフラなど1つ1つの案件規模が非常に大きなことが特徴です。

EP系


 エンタープライズ(一般企業)を担当する所。顧客は誰もが知っている企業から、聞いたことのない会社
 まで色々です。案件規模も小さいもの(数百万円)から大きなもの(数十億)まで色々な案件があります。

公共系


 公共(公共事業)を担当する所。国や地方公共団体、大学、公共機関などから仕事を頂くことになります。
 大規模な大型プロジェクトとなることが多いです。そして、公共ならではの入札テクニックが求められます。


 SP系のネットワークエンジニアに求められるネットワーク技術と、EP系/公共系のネットワークエンジニア
 に求められるネットワーク技術とでは分野が少し異なってきます。例えば、CCIEトラックで分類してみると
 SP系は「CCIE R&SとCCIE SP」の分野の技術力が主に求められ、一方、EP系/公共系は主に「CCIE R&S」
 「CCIE Security」「CCIE Voice」「CCIE Wireless」の分野の技術力が求められることが一般的と言えます。
 ※ 私の場合、SP系に属したことはなく転職しても基本的にEPか公共系のエンジニアとして仕事をしています。


 ◆ ベンダー側のネットワークエンジニア - 推進部隊 or プリ部隊 or 検証部隊

 一般的なベンダーで、NWエンジニアが所属する事業本部には大きく分類して、3つある事が分かりました。
 では、それらのネットワークエンジニアが所属する事業本部にどのような事業部があるのか見ていきしょう。
 以下の通り、各事業本部に「プロダクト開拓/推進」「プリセールス」「社内TACチーム」のおおきく3つの
 事業部が存在することが多いです。なお、社内TACチームは各事業本部ごとではなく各事業本部の共通部隊
 として存在するのが一般的です。ナレッジを分散させるほど非効率的なことはないのがその理由となります。




    

3つの事業部 説明
プロダクト
開拓/推進


 自社として取り扱う製品を開拓、推進していく部署です。例えば、現在A社、B社、C社の製品を取り扱い
 しているが、D社製品はA、B、Cよりもスペックが良いだけでなく価格も安いということであれば、その
 製品を自社として取り扱えるかどうかを検討し取扱決定後にはそれらが売れるように推進していく部署。
 会社が発展していく上でキーとなる部署なので、全員を正社員として構成するのが一般的と言えます。

プリセールス


 RFP(提案依頼書)に従って、提案書の作成、機器選定、プレゼンを行う部署。案件受注後には、内容に
 より自身でネットワーク設計/構築作業を実施する。または、別の人員(設計や構築を専門にする人)で
 設計/構築作業を実施します。この部署は、正社員、契約社員、派遣社員など色々な要員で構成されます。

技術検証


 最新技術の検証、最新プロダクトの検証を実施する部署。サイド業務としてプリセールスSEの技術的
 な質問に対してQ&A対応もするのが一般的です。基本的には、フロントSEの後方支援部隊でありますが、
 案件規模、難易度、重要度に応じて、プリセールスSEの設計/構築作業に協力するケースもある部署です。
 ネットワークエンジニアの部署のなかでもこの部署のエンジニアが最も高い技術力を有すると言えます。


 構成人数としては圧倒的にプリセールスが多いかと思いますが、稼ぎ頭となる部署なので当然といえます。
 これらの3つの事業部全体で男性と女性のネットワークエンジニアの比率は、9対1くらいで女性が少ない。
 女性のネットワークエンジニアは「プロダクト開拓/推進」にいることが多いです。女性NWエンジニアが
 プリセールス部署にいる場合、提案やプレゼンだけを担当し、設計や構築作業を実施しない場合もあります。


 残業時間が最も多いのは「プリセールス」の部署。
 提案資料提出前などは、徹夜の場合がありますし
 案件が多くなる下期には、設計や構築作業などが
 重なってしまい月250時間労働の人もいるでしょう。
 最も出入りの激しい部署になるのがよく分かります。

 教育部署で講師をしている人が転職する場合は、
 「技術検証」の部署へ転職するITエンジニアが多い
 ように思います。現場から大歓迎されるでしょうし
 転職時の給与交渉時にもかなり有利に進められます。


 外出や出張が好きな人は「プリセールス」の部署で「設計/構築作業」を担当するのが最適と言えます。
 地方には対応できるエンジニアがいないことが多く、東京や大阪から地方へ出張するケースが多いです。

 なお、CCNA/CCNPを取得していてネットワークエンジニア経験がある場合、「設計/構築」の役割にて
 仕事が得られやすいと思いますが、CCNA/CCNPを取得していても未経験な場合は「保守/監視」という
 役割で仕事を探した方がいいと思います。「保守/監視」といってもシスコ認定パートナーのベンダーの
 子会社である場合、「設計/構築」を行うエンジニアと一緒に構築作業を現地で行うことが多いので構築
 経験を得られる会社が多いです。その経験をもとに次の転職時に設計/構築の仕事を探していきましょう。


 以上、簡単ではありますがシスコ認定パートナー等のベンダーなどに転職する際、派遣社員で仕事をする
 際に役立てて頂ければと思います。上記内容は例であって、実際にはもっと多くの種類の部署が存在して
 役割分担も細かいかもしれませんし、これらの複数部署の役割を1つの部署で対応している会社もあります。



ネットワークエンジニアの仕事、年収、転職

Copyright (C) 2002-2024 ネットワークエンジニアとして All Rights Reserved.