◆ EIGRP - 手動経路集約
EIGRPは手動経路集約をサポートしており、インターフェース単位で経路集約を行うことが可能です。
経路集約ルートの設定は、集約ルートを送信したインタフェース上で設定します。なお、経路集約を
行うルータのルーティングテーブル上に集約対象の経路の一部を学習していることが前提となります。
◆ EIGRP - 手動経路集約の設定
(config)# interface interface-id
(config-if)# ip summary-address eigrp as-number address mask AD
コマンド引数 |
説明 |
as-number |
AS(自律システム)番号を 1 〜 65535の範囲で指定。
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address mask |
EIGRPで通知させたい集約ルートを指定。 |
AD |
オプション設定。集約ルートのAD値を0 〜 255の範囲で指定。デフォルト値は5。 |
◆ 手動経路集約の設定例( 10.10.0.0/16 に手動集約して Gi0/0 から送出 )
Cisco(config) # interface GigabitEthernet0/0
Cisco(config-if) # ip summary-address eigrp 1 10.10.0.0 255.255.0.0
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手動経路集約を設定するルータ上のルーティングテーブルに 10.10.1.0/24、10.10.2.0/24 ・・・ などの
集約対象の経路の一部を保持している必要があります。そのような状態の時に集約ルートを通知できます。
設定後、ルーティングループ防止のためにNull0インターフェース宛の集約ルートが自動的にインストール
されます。Null0インターフェースとは、パケットを廃棄するためのインターフェースです。集約ルートや
デフォルトルートを隣接するルータ間で保持している場合、存在しないサブネットへのパケットが発生時に
ルーティングループが発生してしまうので、Null0 宛てにした集約ルートも一緒にインストールされます。
例えば上図で、10.10.3.0/24のネットワークがダウンしている状態だとします。しかし、以下の流れ通り
Null0 の集約ルートが自動的にインストールされることによって、ルーティングループを回避しています。
@ 宛先アドレス10.10.3.11宛てのパケットがR2のG0/1に着信
A ルーティングテーブルに従って、172.16.0.1 にパケットを送信
B 10.10.3.0/24のネットワークがダウンしているので、ロンゲストマッチに従ってNull0にパケット送信
Null0 の集約ルートがない場合、ロンゲストマッチに従うとデフォルトルートに合致してR2へ投げ返します。
R2はルーティングテーブルに従って、再び、R1へパケットを送信するという繰り返しが発生してしまいます。
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