EIGRP - Routing Control



 ◆ EIGRP - offset-listの設定

 EIGRPではoffset-listコマンドを使用することで、特定の宛先ネットワークに対して、複合メトリック値
 そのものを加算します。これにより、特定の宛先ネットワークに対して意図した経路で通信させられます。
 なお、offset-listが使用できるルーティングプロトコルはRIP、EIGRPであり、OSPFでは利用できません。

 ◆ EIGRPのoffset-listの設定
 (config)#
access-list number address wildcardmask
 (config)#
router eigrp as-number
 (config-router)#
offset-list
acl-number [ in | out ] offset interface-id

コマンド引数 説明
acl-number

 特定のネットワークを指定した名前付きACLや標準ACLを指定。

in | out  メトリック値を加算させたいタイミングを着信した時なのか、送信する時なのかを指定。
offset  加算するメトリック値を指定。
interface-id  offset-listを適用するインターフェースの指定。指定しない場合、全インターフェースが対象。


 
◆ 設定例 : R1のGi0/0のインターフェースで受信した「172.16.1.0/24」の現在の複合メトリック値に「1000」加算

 
Cisco(config)# access-list 1 permit 172.16.1.0 0.0.0.255

 Cisco(config)# router eigrp 1
 Cisco(config-router)#offset-list 1 in 1000 GigabitEthernet0/0



 ◆ EIGRP - distanceの設定

 EIGRPでは、内部ルート(D)のAD値が
90であり、EIGRPに再配布された外部ルート(EX)は170です。
 AD値はdistanceコマンドで変更することができます。このコマンドはローカルルータにのみ適用されます。

 ◆ EIGRPのdistanceの設定
 (config)# router eigrp as-number
 (config-router)# distance eigrp internal-distance external-distance

コマンド引数 説明
internal-distance

 内部ルートのAD値を1〜255の範囲で指定。デフォルト値は90。

external-distance  外部ルートのAD値を1〜255の範囲で指定。デフォルト値は170。


 ◆ 設定例 : 内部ルート、外部ルートともにAD値を「90」とする設定


 Cisco(config)# router eigrp 1
 Cisco(config-router)#distance eigrp 90 90




 ◆ EIGRP - no ip split-horizonの設定

 FrameRelayなどのNBMAネットワークでは、スプリットホライズンを無効化しなければルーティング情報
 が上手く伝わりません。RIPは「encapsulation frame-relay」と設定した時点でスプリットホライズンが
 自動的に無効化されますが、EIGRPの場合は、手動で以下のスプリットホライズン無効化の設定が必要です。

 
◆ EIGRPのno ip split-horizonの設定
 (config)#
interface interface-id
 (config-if)#
no ip split-horizon eigrp as-number

 ◆ 設定例 : Serial0/0でEIGRP AS10のスプリットホライズンを無効化


 Cisco(config)# interface Serial0/0
 Cisco(config-router)#no ip split-horizon eigrp 10


 ※ スプリットホライズンは、あるインターフェースから受信した経路情報を、同じインターフェースから
 送信しない機能のことです。これはルーティングループを防止するために大切な機能ですが、FrameRelay
 のようなNBMA環境
では、この機能を無効化するかまたはサブインターフェースを作成する必要があります。



EIGRP - コンフィグ設定:応用

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