EIGRP - bandwidth / delay / reliability / load / MTU



 ◆ EIGRP - メトリック

 RIPv1/RIPv2のメトリックは
ホップ数、OSPFのメトリックはコスト、EIGRPのメトリックは複合メトリック
 複合メトリックとは
帯域幅 (bandwidth)、遅延 (delay)、信頼性 (reliability)、負荷(load)、MTUの5つのこと。
 ※ 実際に使用されるメトリックは帯域幅と遅延の2項目です。これらの値は show interfaces で確認できます。

EIGRPで使用するメトリック 説明
帯域幅 ( bandwidth )  ローカルルータから宛先ネットワークに至るまでの最小帯域幅
遅延 ( delay )  ローカルルータから宛先ネットワークに至るまでの遅延の合計値

EIGRPで使用するメトリック メトリック値を算出する公式
帯域幅 ( bandwidth )  10000 ÷ 最小帯域幅(Mbps) × 256
遅延 ( delay )  遅延(10マイクロ秒)の合計値 × 256

EIGRPで使用するメトリック 例えば、100Mbpsのインターフェースの場合
帯域幅 ( bandwidth )  show int では「BW 100000Kbps」と表示されるので、単位をMbpsにして「100」となる。
遅延 ( delay )  show int では「DLY 100μsec」と表示されるので、100 ÷10 にして「10」となる。

 ※ show int で確認すると DLY 100 μsec ではなく DLY 100 usec と表示されますが μ(マイクロ) が表示できないからです。


 下図で、R1からの192.168.5.0/24へは、ローカルルータ(R1)から宛先ネットワーク (192.168.5.0/24)
 に至るまでの最小帯域幅は100Mbps。遅延の合計値は「30」。これらの値を公式に当てはめて加算します。


  


 帯域幅のメトリック値:10000 ÷ 100 × 256 = 25600
 遅延のメトリック値:30 × 256 = 7680
 R1から「192.168.5.0/24」へのメトリック値:25600 + 7680 = 33280

 R1でshow ip routeで確認するとネットワーク(192.168.5.0/24)へのメトリック値は33280と表示
 されます。なお、
K値と呼ばれる値を参照することでメトリック値が算出されます。デフォルトでK値は
 以下であることから、EIGRPのメトリックは「帯域幅+遅延」となります。

 K1(帯域幅)= 1  K2(負荷)= 0  K3(遅延)= 1  K4(信頼性)= 0  K5(MTU)= 0


 色々と解説しましたが、結局のところこれらは自動計算されますし、簡単にいえば「EIGRPは帯域幅の大きい
 パスを使用していく」ということです。そして、実際の企業ネットワーク環境で、ネットワークエンジニアが
 EIGRPで経路制御する場合、遅延の値を
delay コマンドで変更すればほとんどの要件は満たせます。例えば
 1Gbpsの2つパスがありプライマリ、バックアップとして使用したいならdelay 1、delay 2と設定するだけです。
 ※ 上記の例は、前提として2つのパスが宛先ネットワークまで同帯域のリンクがシンメトリーにあることです。



 ◆ EIGRPメトリック - K値の設定変更

 推奨されない設定ですが、このメトリックの動作をmetric weightsコマンドにより変更することができます。

 
◆ EIGRP - メトリックのK値の設定
 (config)# router eigrp as-number
 (config-router)#
metric weights tos k1 k2 k3 k4 k5

コマンド引数 説明
tos

 デフォルト値である 0 を指定

k1 k2 k3 k4 k5


 K1(帯域幅)、K2(負荷)、K3(遅延)、K4(信頼性)、K5(MTU)の重みを 0〜255 で指定
 デフォルト値は K1=1、K2=0、K3=1、K4=0、K5=0


 例えば metric weights 0
0 0 1 0 0 と設定することで最適ルートを決定するプロセスにおいて遅延のみが
 使用されることになります。ただし、遅延で制御したい場合でも、このコマンドの設定変更は非推奨であり、
 一般的ではありません。なお、設定変更する場合には、EIGRPネイバーである隣接機器でも同じ値にします。


 ◆ 参考:インターフェースの帯域幅と遅延の値
メディア 帯域幅 遅延
Ethernet BW 10000 Kbit DLY 1000 usec
FastEthernet BW 100000 Kbit DLY 100 usec
GigabitEthernet BW 1000000 Kbit DLY 10 usec



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