◆ CSMA/CDとは
CSMA/CDはCarrier Sense Multiple Access with Collision Detectionの略であり、Ethernetが採用して
いる通信方式の1つで、初期イーサネットLANで使用されていたアクセス制御方式。10Base5や10Base2
といった同軸ケーブルを使用したバス型のトポロジーや、10Base-T/100Base-TXのケーブルの場合でも
半二重通信しかサポートしないハブを使用したスター型トポロジーでも、CSMA/CD方式は使用されます。
※ スイッチの普及や全二重通信が広く採用されている現在のイーサネットLANでは、CSMA/CDはほぼ見られなくなりました。
◆ CSMA/CDの動作
CSMA/CDは要約すると次のような動作をします。イーサネットフレームを伝送したいPC端末はケーブル
の通信状況(電気信号の状況)を確認し、フレームが伝送されていなければ自身のフレームを送信します。
複数の機器が同時に送信してデータが衝突した場合(コリジョン発生)、ある時間を待って送信をやり直す。

信号を感知 (Carrier Sense) しフレーム伝送を行い、フレームが衝突を検出 (Collision Detection) すると
ランダムな時間を待ち送信を開始します。この方法で、1本のケーブル上 (1つのネットワークの媒体上) を
複数のノードがお互いにアクセス (Multiple Access) できるようになります。これがCSMA/CD方式です。
以下はフレームが衝突した場合の詳細なフロー。バックオフは15回繰り返されて16回目にフレームを廃棄。

このようにあるノードが通信していると他の端末は通信できませんが、これは “ある瞬間” においてなので
人の目からPCの通信状況を見ると、複数の端末が同時に通信できているように見えます。注意事項として
CSMA/CDは半二重(half duplex)の通信において使用する通信方式であり、全二重 (full duplex) の通信で
CSMA/CDは使用されません。スイッチングハブに接続されたノードはいつでもデータの送受信が可能です。

※ 現在のイーサネットLANでCSMA/CD方式がほとんど採用されていないとはいえ、この仕組みを理解しておくことは重要です。
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