UDLD ( UniDirectional Link Detection )



 ◆ UDLDとは

 UDLDとは
単一方向リンクを検出することができるL2プロトコルです。単一方向リンクとは、下図の通り
 一方の機器でトラフィックを送信できるが受信できない、もう一方の機器でトラフィックを受信できるが
 送信できない状態のことです。UDLDにより、光ファイバーまたはUTPケーブルで接続されたデバイスが
 
ケーブルの状態をモニターして、単一方向リンクを検出すると設定対象ポートをシャットダウンできます。


  


 送信(TX)ケーブルと、受信(RX)ケーブルがピンポイントに障害が発生しやすい光ファイバーケーブル
 が接続されるCatalystスイッチのポート上でこの機能を有効化すると効果的です。光ファイバーケーブルで
 例えば送信(TX)ケーブルだけ故障して、L2ループが発生しそうになっても、UDLDで単一方向リンクを
 検出して該当ポートをシャットダウン(
err-disabled )にすることから、そのような問題を回避できます。


 ◆ UDLDの動作モード

 UDLDの動作モードには「
ノーマル」と「アグレッシブ」の2種類があります。これらの違いは以下の通り。

動作モード 説明
ノーマル
 以下の 1 パターンの問題の検出を可能
 ・ 光ファイバー接続におけるポートの誤った接続による単一方向リンクの検出が可能

アグレッシブ
 以下の 2 パターンの問題の検出を可能
 ・ 光ファイバーリンクとツイストペアーリンク上の片方向トラフィック、
 ・ 光ファイバー接続におけるポートの誤った接続による単一方向リンクの検出が可能


 単一方向リンクを検出した場合の動作は以下となります。つまり、アグレッシブモードが推奨設定となります。

動作モード 単一方向リンク検出時の動作
ノーマル  単一方向リンクの検出時、該当ポートを「undetermined」にするだけでポートをerr-disabledしない。
アグレッシブ  単一方向リンクの検出時、再確立が試みられるものの失敗した場合、該当ポートはerr-disabledされる。




 ※ UDLDの設定は
相互接続するデバイスの両端で設定する必要があり以下は両端で設定している時の動作。

 ◆ UDLDの動作メカニズム

 UDLDは、有効化されたポート上でHelloパケット(
Probe)を定期的に送信して、隣接のUDLD対応機器に
 送信してネイバー同士でネイバーに関する情報を常に維持できるようにします。スイッチがHelloパケットを
 受信するとエージングタイムが経過するまで情報をキャッシュします。古いキャッシュのエージングタイム
 が切れる前に、新しいHelloパケットを受信した場合、古いエントリが新しいエントリに置き換えられます。


  




 UDLDは検出メカニズムとして「
Echo」を使用します。UDLDが有効化されたデバイスがネイバーから
 再同期要求を受信すると検知プロセスが開始されそしてエコーメッセージを送信します。エコー送信側は
 返信エコーを受信するよう待機します。このエコーメッセージを受信できなかった場合は、該当ポートは
 ノーマルモードなら「undetermined」状態。アグレッシブモードなら「err-disable」状態になります。


  


 エコーを受信できれば「
Bidirectional」と見なされて、detectionフェーズからadvertisementフェーズ
 に移行します。この状態になると、定期的(デフォルト15秒)にHelloパケットをやりとりを行います。



L2コントロール( UDLD、Flex Link、ストーム制御、保護ポート、ポートブロッキング )

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