TCP header



 ◆ TCPヘッダのフォーマット

 TCPセグメント(TCPパケット)は以下の通り「TCPヘッダ」と「TCPペイロード」で構成されます。
 TCPヘッダの中身は以下です。TCPペイロードはTCPより上位のプロトコルを含むデータのことです。


    


各フィールド ビット数 各フィールドの説明
送信元ポート番号 16 bit

 送信元のポート番号の値。

宛先ポート番号 16 bit

 宛先のポート番号の値。

シーケンス番号 32 bit

 送信したデータの順序を示す値。「相手から受信した確認応答番号」の値。

確認応答番号 32 bit

 確認応答番号の値。「相手から受信したシーケンス番号」+「データサイズ」。

データオフセット 4 bit

 TCPヘッダの長さを示す値。

予約 3 bit  全ビット「0」が入る。将来の拡張のために用意されている。
コントロールフラグ 9 bit

 NS、CWR、ECE、URG、ACK、PSH、RST、SYN、FINの9ビットで構成。
 これらのビットは「 1 」の値が入る(フラグを立てる)場合に意味をなす。 

ウィンドウサイズ 16 bit

 受信側が一度に受信することができるデータ量を送信側に通知するために
 使用される。送信側は、この値のデータ量を超えて送信することはできない。

チェックサム 16 bit  TCPヘッダとデータ部分のエラーチェックを行うために使用される値が入る。
緊急ポインタ 16 bit

 コントロールフラグのURGの値が「1」である場合にのみ使用されるフィールド。
 緊急データの開始位置を示す情報が入る。

オプション 可変長

 TCPの通信において、性能を向上させるために利用する。例えば
 TCPコネクションの際に、MSSを決定するために使用されたりします。

パディング 可変長

 TCPヘッダの長さを32ビットの整数にするために
 詰め物(Padding)として空データの 「 0 」 の値を入れることにより調整する。




 以下の表は、TCPヘッダのフィールドにある「コントロールフラグ」の 9 bitの詳細となります。

コントロールフラグの詳細
ビット 値が「1」である(フラグが立っている)時の意味
 NS  ECN-nonce 輻輳保護を示す。
 CWR  輻輳制御ウィンドウ縮小(Congestion Window Reduced)を示す。
 ECE  ECN-Echo を示す。SYNフラグがセットされている場合、ECNが利用であることを意味する。
 URG (Urgent)  緊急に処理すべきデータ含まれていることを示す。
 ACK (Acknowledgement)  確認応答番号のフィールドが有効であることを示す。コネクション確立時以外は値が「1」。
 PSH ( Push )  受信したデータをバッファリングせずに、即座にアプリケーション(上位)に渡すことを示す。
 RST ( Reset )  コネクションが強制的に切断されることを示す。何らかの異常を検出した場合に送信される。
 SYN ( Synchronize )  コネクションの確立を要求することを示す。
 FIN ( Fin )  コネクションの正常な終了を要求することを示す。


 これらのTCPヘッダの値はTCPの特徴である「ポート番号を使用」、「コネクションの確立、維持切断」
 「順序制御」、「再送制御」、「ウィンドウ制御」、「フロー制御」で、しっかりと生かされています。



TCP - ポート番号の割り当て TCP - コネクション確立、維持、切断

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