インフラエンジニア・ネットワークエンジニア:常駐のメリットとデメリット

当方は20代の頃、2年半ほど客先にインフラエンジニアとして常駐していたことがあります。

当時は「インフラエンジニア」という用語はなく、情報システム部でネットワーク中心に運用監視のお仕事をしておりました。

その常駐経験をもとに、インフラエンジニア・ネットワークエンジニアが常駐することによるメリットとデメリットを紹介します。

前提として、常駐先でエンジニアとして大幅にスキルアップできるかどうか、常駐先で楽しく快適に仕事ができるかどうかなどは、常駐先の会社やシステム環境に大きく依存することからここではなるべく汎用的なことがらについて紹介します。

インフラエンジニア・ネットワークエンジニアの常駐 : メリット

メリット1:大規模なネットワーク・サーバー環境を経験することができる

外部から運用・監視などを行う常駐要員を求められるわけですから、システム環境は大規模であることが一般的です。大規模ならではの設計を知ることができますし、ハイエンドの機種の運用経験をすることができます。

メリット2:幅広いネットワーク機器とサーバー機器の運用・監視を経験できる

かなりの大手企業ともなれば、常駐要員もネットワークエンジニアとサーバーエンジニアとで分けることになりますが、インフラエンジニアとしてネットワーク機器もサーバー機器も運用監視を任されることになるので、ネットワーク機器とサーバー機器の両方を経験できます。

メリット3:情報システム部(お客様側)のエンジニアの立場、仕事内容などを知れる

ベンダー側のエンジニアにとっては、納品先であるお客様のシステム環境で仕事ができることから、お客様の立場や仕事内容を知ることができて、お客様の立場に立って物事が考えられるようになります。ベンダーのエンジニアとして仕事をしていく上でとても大切なことです。

メリット4:運用・監視のスキルだけでなくトラブルシューティングの能力も向上する

通信障害やシステム障害が発生した場合は、先ず第一に運用監視している常駐エンジニアが、どのような障害が発生しているのか、そして、考えられる被疑箇所はどこなのかを切り分けて保守会社にエスカレーションする必要があります。監視ツールの死活監視のステータス情報にもとづきエスカレーションするだけで終わる場合もありますが、保守会社と連携して対応していくことで、障害発生時の対応力やトラブルシューティング能力が確実に向上していきます。

インフラエンジニア・ネットワークエンジニアの常駐 デメリット

デメリット1:同じ場所に居続けることで、その環境に応じた限定的スキルしか身に付かない

いくら大規模なネットワーク環境であっても、常駐先のネットワーク技術やサーバー技術しか知ることができないので、4年も5年も長く常駐し続けると経験年数相応なネットワーク技術力を身につけることが難しい。

デメリット2:提案・設計・構築スキルが身につかない

大企業に常駐することで運用・保守・監視などのスキルは向上していくと思いますが、一方、提案・設計・構築のスキルアップは難しく、スキルに偏りが生まれきます。だからこそ、この役割を派遣社員に任せる企業が多いのも悲しい事実です。

デメリット3:客先であるため気を抜くことができない、休暇が取りにくい

客先常駐であることから、外出や出張の機会がなく息苦しいです。個人的には、この点が一番つらかったです。もちろん、客先の環境や担当するお客様次第ではありますが、社内のようにワイワイできませんし、有給休暇を使用した取りにくいです。

このようなデメリットがあるため、プロジェクト進行の常駐型を除いて、常駐要員を派遣する場合は多くの企業は派遣社員を利用しています。しかし例えばネットワークエンジニア未経験であっても、運用・保守・監視の場合は採用されやすいので経験者になるためには、働き手にとってもありがたいお仕事でもあります。

なお、ネットワークエンジニアとして、サーバーエンジニアとして成長していきたい場合は、同じ企業に例えば3年以上も常駐することになれば、経験年数相応な技術力を身につけられないことから注意が必要です。また、長期間の常駐は後々の転職に不利になる可能性があるのでこの点も十分に注意してキャリアアップしていきましょう。

理想は2年以内だと考えていますが、3社間の契約(派遣元、派遣先、本人)の際の約束事項はしっかりと守るようにしましょう。

以上です。ご参考になれば幸いです。

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