リーマンショック前のネットワークエンジニアの年収について

世界規模の金融危機であるリーマンショックが発生した2008年ですが、この年は当方が会社で仕事をしていて「年収や契約更新」などの点で、大きく状況が変わったと感じた年でした。

※ Hyper SBIから指標のチャート画面を切り取ったものです。

派遣社員(一般派遣)についてですが、この2008年までは当方の周りでは3ヶ月更新の際に、業績や景気などの状況を理由に派遣切りされるようなことは聞いたことはありませんでしたし契約更新時に時給を下げるような契約更新を聞いたことはありませんでした。

しかし、リーマンショックの年から状況は変わりました。
2009年1月から時給を下げられたや、3月末で契約終了になった話を聞くようになりました。正社員もボーナスが減額されたり、中途採用での年収提示額が抑えられるようになったなど。

その後、多くのベンダーは業績回復して、リーマンショック以前の水準以上になっていますが
一般派遣に以前のような安定感やウハウハ感は戻っていませんし、正社員の中途採用の提示額も抑えたままにしている企業が多いかと思いますが、その理由として、リーマンショック時に人件費削減した際に、企業側が以下の点を確認できてしまったことが考えられます。

・ 人件費を適度に削減したところで、人材は確保できると確認できた点
・ 正社員採用の年収額を抑えても、一定の優秀な人材は確保できることを確認できた点
・ 厳しく残業抑制を打ち出しても、その範囲で何とか社員が仕事をすると確認できた点

雇用する側と雇用される側とでは、雇用される側の方が立場が弱いと感じた年でありました。

また、その当時に当方が所属していた会社における話ですが、その頃にはちょうどノウハウやナレッジが完全完備されてきたこともあり、社内にコアメンバーさえいれば、個々のスキルは一定レベルあればよく会社のナレッジをベースに案件対応してくれたらよいので、 高額年収を求めるネットワークエンジニアよりも、一定スキルを有する適度な年収を求めるネットワークエンジニアの方が需要が高くなってきて、ネットワークエンジニア業界で高額年収を実現することがこの頃から難しくなったように思います。

しかし、2008年まではネットワークエンジニア市場は好況すぎたのかもしれません。例えば2000年頃の正社員エンジニアのボーナス金額もとんでもない金額でしたし、その当時におけるSI費用も作業工数に対して大きな金額で受注していました。

2008年リーマンショックのタイミングで様々な契機となり、結果、ネットワークエンジニアの給料やボーナス額の適正化が進んだのかもしれません。また、当時は現在のように残業規制が厳しくなく残業時間が多いエンジニアが比較的多かったことから、年収額という観点でみるとかなり高額年収を得ていたネットワークエンジニアは多かったかもしれません。

以上のことから、リーマンショック以前から同じ会社でお仕事されているエンジニアの方が、現在高給取りであったり、当時高給取りであったという話を聞いても、このような経緯などがありますから、あまり気にする必要はないかと思います

当方の旧ブログでは、当方の経験年数ごとの年収額を公開してきましたが、以上のことからも現在では参考にならない要素が多いのでバッサリと削除しました。

ネットワークエンジニアとして着実に年収を上げていくためには、次の2点がいつの時代でもとても大切なことであることに変わりありませんので、しっかりとがんばりましょう。

・ 向上心を持ってネットワーク技術力を高めていく(日々スキルアップし続ける)こと
・ 経験年数に応じた役割(メンバー、PL、PM)を担って、しっかり経験値を得ていくこと

また、資格については賛否両論ありますが、資格取得に肯定的な考え方を持つ当方としては、時間と経済状況が許すのであれば、CCNA/CCNP、LPIC、ネスペ、CCIE取得をお勧めします。会社により資格取得も年収アップのための効果的なカードとなります。

以上、参考になるところがあれば幸いです。

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