IP SLA - Object Tracking



 ◆ IP SLAとは

 IP SLAは、IOS機能の1つであり、ネットワークインフラのサービスレベル性能をモニターする方法です。
 ルータでIP SLA機能を有効化することで、測定用のパケットを任意の宛先へ送出できます。測定用パケット
 の受信側は送信側に測定用パケットの種類に応じた情報を返します。これにより、拠点間の
片方向の遅延
 ラウンドトリップ遅延ネットワークの揺らぎ情報をIP SLAを実行した送信側のルータから入手できます。
 また、
死活監視機能で受信デバイスから応答がない場合、
それをトリガーとして冗長経路の提供も可能です。



 ◆ IP SLA - Object Tracking を使用したネットワーク設計

 IP SLAは、前回に紹介したアクティブモニタリング機能だけでなく、他の機能と組み合わせることも可能です。
 例えば、下図ではR1からICMP Echo Requestを送信してNextHopから応答がなくなった場合にトラフィックの
 方向を切り替える2種類(HSRPの切替り/フローティングスタティックルートの実装)の方法を紹介しています。


   


 ◆ IP SLAオペレーションの定義

 IP SLAの設定は「IP SLAオペレーションの定義」と「IP SLAスケジュールの定義」の2セットで行います。

 ◆ IP SLAオペレーションの作成
 (config)#
ip sla number

コマンド引数 説明
 number

 IP SLAオペレーション番号を 1 〜 2147483647 の範囲で任意の番号を指定



 ◆ ICMPエコーオペレーションの設定
 (config-ip-sla)# icmp-echo destination-address [ source-ip address | source-interface interface-id ]

コマンド引数 説明
 destination-address

 ICMPエコーリクエストを送信する対象となる宛先IPアドレス、またはホスト名の指定

 source-ip address  ICMPエコーリクエストを送信する送信元となる送信元IPアドレス、またはホスト名の指定
 source-interface interface-id  ICMPエコーリクエストを送信する送信元となる送信元インターフェースの指定



 ◆ IP SLAオペレーションのタイムアウトの設定
 (config-ip-sla-echo)# timeout seconds

コマンド引数 説明
 seconds

 ICMPエコーリクエストに対する応答時間を「ミリ秒」で指定



 ◆ IP SLAオペレーションの計測間隔の設定
 (config-ip-sla-echo)# frequency seconds

コマンド引数 説明
 seconds

 ICMPエコーリクエストを送信する間隔を「秒」で指定。デフォルトは60秒。




 ◆ IP SLAスケジュールの定義

 上記の「IP SLAオペレーションの定義」で設定した内容の実行スケジュールを以下で定義します。

 ◆ IP SLAスケジュールの作成
 (config)#
ip sla schedule number
life [ forever | seconds ] start-time [ now | time ] [ recurring ]

コマンド引数 説明
 number

 事前に定義したIP SLAオペレーション番号を指定

 life [ forever | seconds ]  IP SLAの実行を無期限(forever)に設定、または秒数(seconds)指定。デフォルトは3600秒。
 start-time [ now | time ]  IP SLAの開始時刻を指定。now を指定すれば即座に開始。または特定時刻を24時間表記で指定。
 recurring  オプション。毎日、IP SLAを自動的に実行。




 ◆ IP SLAによるパス制御の定義

 上記の2つの設定により、IP SLAオペレーションを実行してパフォーマンス測定が可能となりますが、この
 パフォーマンス測定だけでなく、
IP SLAによりパス制御が行うことも可能です。上記手順で、IP SLAを定義
 した後、以下の手順でIP SLAをトラッキングするスタティックルートを設定すれば、ネットワークの状態に
 応じた動的なネットワークの切替りを実現することが可能です。

 ◆ トラッキングオブジェクトの定義
 (config)# track object-number ip sla operation-number [ state | reachability ]
 (config-track)# delay [ down seconds | up seconds ]

コマンド引数 説明
 object-number

 オブジェクト番号を 1 〜 500の間で指定

 operation-number  事前に定義した実行するIP SLAオペレーション番号を指定
 state  リターンコードの状態に応じて、トラッキングオブジェクトをアップさせるパラメータ
 reachability  IP到達性の状態に応じて、トラッキングオブジェクトをアップさせるパラメータ
 down seconds  オプション。ダウンの通知を遅らせる時間を秒数で指定( 0 〜 180秒 )
 up seconds  オプション。アップの通知を遅らせる時間を秒数で指定( 0 〜 180秒 )


 
◆ スタティックルートに対するトラッキングオブジェクトの関連付け
 (config)# ip route network mask next-hop
track object-number



IP SLA - 設定コマンド

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