STP - PVST+ Config



 ◆ STPの設定(PVST+の設定): スパニングツリーの有効化 / 無効化

 Catalystスイッチではスパニングツリープロトコルが
デフォルトで有効化されており、有効化のための
 設定は必要ありませんが、例えば無効化の設定をした後に、有効化したい場合には以下の設定をします。


 ◆ スパニングツリープロトコルの有効化
 (config)#
spanning-tree vlan vlan-id

コマンド引数 説明
vlan-id


 スパニングツリープロトコルを有効化するVLAN ID (1 〜 4094) を指定する。スパニングツリー
 プロトコルはVLANごとに有効化の設定を行える。VLAN10で有効化する設定例は以下となる。

 (config)#
spanning-tree vlan 10



 ◆ スパニングツリープロトコルの無効化
 (config)#
no spanning-tree vlan vlan-id

コマンド引数 説明
vlan-id


 スパニングツリープロトコルを無効化するVLAN ID (1 〜 4094) を指定する。スパニングツリー
 プロトコルはVLANごとに無効化の設定を行える。VLAN10で無効化する設定例は以下となる。

 (config)#
no spanning-tree vlan 10




 ◆ STPの設定(PVST+の設定): ブリッジプライオリティの設定

 CatalystスイッチはPVST+に対応しているため、ブリッジプライオリティの値はVLANごとに設定できます。


 
◆ ブリッジプライオリティの設定
 (config)#
spanning-tree vlan vlan-id priority priority

コマンド引数 説明
vlan-id

 ブリッジプライオリティを設定するVLAN ID ( 1 〜 4094 ) を指定する。

priority


 指定したVLAN IDに対するブリッジプライオリティ値を設定する。PVST+ の場合、0 〜 61440 の
 範囲で
4096 単位で指定する。以下は VLAN 10 にブリッジプライオリティを 4096 にする設定例。

 (config)#
spanning-tree vlan 10 priority 4096

 プライオリティに指定できる値(0, 4096, 8192, 12288, 16384, 20480, 24576, 28672, 32768,..61440)


 例えばVLAN 10においてルートブリッジにしたいスイッチには、一般的にはプライオリティ値を 0 にします。

 (config)#
spanning-tree vlan 10 priority 0


 そして、例えばVLAN 10でセカンダリールートブリッジにしたいスイッチには、プライオリティ値を4096
 します。セカンダリールートブリッジはルートブリッジの障害時にルートブリッジの役割を引き継ぐスイッチ。

 (config)#
spanning-tree vlan 10 priority 4096


 ◆ STPの設定(PVST+の設定): ブリッジプライオリティの設定(ダイナミック)

 ブリッジプライオリティの設定を上で紹介しましたが、この設定をダイナミックに設定することができます。
 ただし、紹介する設定方法は
非推奨で企業ネットワークで一般的に行われている設定ではありません。

 ダイナミックにルートブリッジを設定するコマンドは以下です。この設定をしたスイッチではこのコマンドで
 指定したVLAN上でルートブリッジに選出されているスイッチのプライオリティをチェックし、自身がルート
 ブリッジになれるように自動的にプライオリティ値が設定されます。例えばすでに存在するルートブリッジの
 プライオリティ値が32768の場合、このコマンドを設定したスイッチはプライオリティ値が24576になります。
 このように自身のプライオリティ値は、既存よりも小さい値が適用されて強制的にルートブリッジになります。

 
◆ ダイナミックなルートブリッジの設定
 (config)#
spanning-tree vlan vlan-id root primary

 
コマンド引数 説明
vlan-id


 そのスイッチがルートブリッジになるVLAN IDを指定する。例えば、そのスイッチがVLAN10で
 ルートブリッジになるための設定は以下となる

 (config)#
spanning-tree vlan 10 root primary


 ダイナミックにセカンダリールートブリッジを設定するコマンドは以下ですが、このコマンドを実行しても
 そのスイッチのVLANでプライオリティ値が 28672 になるだけです。従ってそのスイッチドネットワークで
 強制的にセカンダリールートブリッジになる訳ではありません。つまり失敗作と言ってもいいコマンドです。
 ※ 現在の最新のIOSでは改善されている可能性があります。


 
◆ ダイナミックなセカンダリールートブリッジの設定
 (config)#
spanning-tree vlan vlan-id root secondary

コマンド引数 説明
vlan-id


 そのスイッチがセカンダリールートブリッジになるVLAN IDを指定する。例えばそのスイッチが
 VLAN10でセカンダリールートブリッジになるための設定は以下だが、このコマンドでは単純に
 プライオリティ値が常に 28672 になるだけなので、意図した設計にならない可能性がある。

 (config)#
spanning-tree vlan 10 root secondary



 以上の内容から、スイッチドネットワークでルートブリッジ、セカンダリールートブリッジを定義したい場合
 下図のように、ルートブリッジには
0、セカンダリールートブリッジには 4096 と明示的に設定しましょう。
 なお下図ではすべてのリンクが1Gbpsであり、各ポートは同じコスト値であることからブリッジIDを使用して
 ルートポート、指定ポート、非指定ポートが選出されて、SWCのポート@とポートAは下図のようになります。



     



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